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筥崎宮の放生会(ほうじょうや)って何のためにやってるの?

筥崎宮(箱崎宮)で 9月12日~18日まで行われる放生会(ほうじょうや)。

現在、絶賛開催中ですね。

どんたく、山笠、放生会は博多三大祭と言われ、毎年大変多くの人でにぎわいます。

でも放生会って何のために行われているのでしょうか??

▲ たくさんのお店が立ち並び、とても楽しいのですが その意味を知ると また違った視点でこのお祭りを見ることができると思います。

放生会とは、万物の生命を慈しみ、殺傷を戒める神事(All about「博多三大祭り・箱崎宮放生会・開催中!!」より引用)です。

もともとの起源は、お釈迦様の前世といわれている流水長者が、池が干上がって死にかけていた魚を助けたら三十三天に転生して感謝報恩した、ということに由来していると言われています。

「放生」とは「放」して「生」かすという意味があるのですね。

つまり「生命を大切にしましょう」とか「生命に感謝しましょう」ということを考えるお祭りなんですね。

そして、720年ごろに鹿児島、宮崎あたりで起きた戦乱の犠牲になった人を放生会を行って弔ったことがきっかけで全国にひろがったのだそうです。

放生会は全国各地で行われていますが、筥崎宮で行われている放生会はとくに規模が大きく、徐々に商売繁盛や交通安全などが色々ミックスされて現在のようなワッショイワッショイなお祭りに変わっていったものと考えられます。

筥崎宮で放生会が始まったのは延喜19年(919年)だと言われています。

まず、筥崎宮がそんなに古くからあることに驚きますね!

▲ 確かに鎌倉時代ごろをあらわした古図を見てみると、すでに筥崎宮が描かれています。(※古図は地下鉄呉服町駅付近の案内看板より)

▲ かなり大きく描かれていますので重要な場所だったのでしょうね。

▲ 1821年に作られた「筑前名所図会」という古文書の中にも放生会の様子が描かれています。(※ 絵図は「古地図の中の福岡・博多―1800年頃の町並み」【海鳥社 宮崎 克則、福岡アーカイブ研究会 編】より引用)

▲ 絵図を見てみると この頃にはお酒を飲んだりしてどんちゃん騒ぎをしている様子がわかります。

▲ 三味線を弾いている人もいれば、

▲ 劇のようなものが開催されていて鑑賞している様子もわかりますね。

▲ ヘベレケで踊っているような人も。笑

こんな どんちゃん騒ぎではありますが、以前の放生会では魚の販売が禁止され、期間中は近くの川では漁が禁止されていたり したそうですので、一応は「万物の生命を慈しみ、殺傷を戒める」というコンセプトは守られていたようです。

▲ もちろん、純粋にお祭を楽しむことも素晴らしいことなのですが、すこしだけ 本来の「万物の生命を慈しみ、殺傷を戒める」ということを考えてみるのもいいかもしれませんね。

【参考文献リスト】
古地図の中の福岡・博多―1800年頃の町並み(海鳥社 宮崎 克則、福岡アーカイブ研究会 編)
Wikipedia 放生会
All about「博多三大祭り・箱崎宮放生会・開催中!!」

Y氏(山田全自動)
ふるほん住吉店主:Y氏(山田全自動)
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福岡で古本屋「ふるほん住吉」の店主をしつつ、ブロガー/イラストレーター/執筆業などをしながら自由気ままに暮らしています。著書:福岡路上遺産(海鳥社)、福岡穴場観光(書肆侃侃房)、山田全自動でござる(BOOKぴあ)など
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