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今宿の海の中にある気になるアレについて調べてみた

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今宿の海の中にあるアレ。気になっている人も多いかと思いますので調べてみました。

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▲ 福岡市方面から糸島に向かう途中、今宿あたりに非常に気になるものがあります。

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▲ それがこれ。

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▲ 海の中にポツンとあるコンクリートの台。

おそらく幅5メートルほど。

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▲ しかも同じ形のものが今津方面に200メートルぐらい進んだ場所にもあるんです。

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▲ 船か何かに使われているのでしょうか??

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▲ でもけっこう朽ち果てた感じで使われている様子はありません。何回もこの道は通っていますが実際これが使われているところは見たことがありません。鳥が羽休めをする場所にはなっているようですが・・・。

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▲ 改めてじっと観察してみましたがいったい何なのかわかりません。

こうなったら近隣の人に聞くのが一番早い!

ということで人が通るのを待つことに。

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▲ するとなぜか後ろ向きでこちらに歩いてくるおじさんを発見!

これはある意味、海にあるやつよりも気になるな!

たぶんご存知なさそうだけれど、面白そうなので聞いてみることに。

Y氏

「すいません・・・・あの海にある土台みたいなやつって何に使われていたのかご存知ですか・・・?」


Y氏

「あ?あれ?海の?」


Y氏

「そうです、あの四角いやつです(やっぱり知らなかったか・・・)」


おじさん

「あれは昔、採石場からロープウェイのあったとよ」


Y氏

「え?(知ってたのか!!)そうなんですか?!ロープウェイってどんなやつだったんですか?」


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おじさん

「↑あっちに山のあるやろ?あれが砕石場やったとよ」


Y氏

「砕石場って何ですか?」


おじさん

「要は砂利のようなものば取るところったい。あの山からず〜っとケーブルの伸びとって、海の中に塔の立っとったとよ。そこにロープウェイで石ば運びよったと。人の乗るとじゃなくて石だけ乗せてね」


Y氏

「おぉ!スゴイ!じゃあ あの海の中の四角いやつは塔の痕跡なんですね?!」


おじさん

「そうったい、高〜か塔やったね〜。わたしが小学生ぐらいの時まであったよ」


Y氏

「ロープウェイでつないで船に積み込んでいたんですかね?」


おじさん

「う〜ん、確かそうやったような気のする」


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Y氏

「↑あっちの方にもう一個ありますが、あれとも繋がっていたんですか?」


おじさん

「どうやったかな〜?う〜ん、そのへんは覚えとらんね〜」


Y氏

「そうですか、でもとても有力な情報ありがとうございました!・・・あと、さっき後ろ向きで歩かれてましたが、すごいですね?!」


おじさん

「もう何十年も住んどると後ろ向きでも道のわかるとよ」


Y氏

「す、すごいですね〜!どうか事故のないように・・・・・」


おじさん

「頑張って卒業するとよ〜!」


Y氏

「???・・・は、はい、ありがとうございます・・・!」


そう言うとおじさんは再び後ろ向きで歩き去って行きました。学生の研究と思われたのかな??

しばらく目が合って若干気まずかったですが、とりあえずスゴイことがわかりました!

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▲ これはロープウェイの痕跡だったんだ!

その後も何人かの人にロープウェイについて知らないか聞いてみましたが、どなたもロープウェイの存在自体は知っていても詳細はご存知ないようでした。

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▲ とりあえず、先ほどのおじさんから教えてもらった山の方に何か残っていないか調べに行ってみることに。

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▲ 山には熊野神社があり、神社の前に立てられていた案内板によると、古代から良質の石が取れるということで石斧が作られたりしていた場所なのだそうです。

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▲ この熊野神社がある山は「今山」という名前で、ここにある遺跡からは古くは縄文時代の石斧までみつかったのだとか。

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▲ この石斧を作っていた今山石斧製作所跡は国の史跡にもなっているようです。

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▲ かなり急で長〜い階段を登っていきます。

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▲ だいぶ登った所に本殿がありました。

しかし砕石場らしきものは何も見つけられません。

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▲ ふと横を見てみると今山の歴史が刻まれた碑が建てられていました。

これがすごかった!全ての答えがここに載っていました。

要約するとこんな感じです。

・今山は二つの頂(いただき)を持つ山だった

・大正の終わりごろ砕石場が作られた

・船や馬車などで色々な場所に石が運搬され、防波堤や道路の舗装に使われた

・昭和初期、砕石運搬用の鉄道引込線が作られた(今宿駅からこのあたりまで伸びていた)

・終戦後、米軍が今山砕石場から板付飛行場用に砕石を取るようになる。砕石の量を増やすため今山の北にある毘沙門山でも取るようになり、それらをケーブルでつないで運搬

・昭和45年に二つあった今山の一つを崩して宅地化(今山の北側一帯の住宅地がそれにあたる)

・引込線は福岡木材防腐工場が枕木運搬用に使っていたが昭和49年に廃止

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▲ そして碑の裏にはこんな図も載っていました。→拡大する

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▲ 要は、終戦後に米軍が板付飛行場用に使う砕石を今山と毘沙門山から効率よく運搬するためにロープウェイを通していたということのようです。

そのロープウェイの塔の痕跡が残っているというわけですね。

おじさんは船で運搬していたと教えてくれましたが、わざわざ船で板付飛行場に運ぶのは効率が悪いので、そうではなく、今山の下にあった鉄道引込線に集約され、そこから鉄道で運搬していたのではないかと思われます。(推測)

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▲ ちなみに今宿砕石工場の絵葉書も見つけました。

このような感じでざっくりと山を削っていたようです。

よく見ると運搬用の鉄道の橋桁のようなものも見えますね。


▲ ちなみに「今昔マップ」で引き込み線跡も調べてみました。

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▲ 今宿駅から砕石場に向かって引き込み線があったわけですが、

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▲ 今宿駅を出て西に少し進むとこのような妙な道があります。

[map addr=”福岡県福岡市西区今宿1丁目1−28”]
▲ このあたり。福岡県福岡市西区今宿1丁目1−28

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▲ これはかつての引込線の痕跡です。

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▲ これを通ってず〜っと北西方向に伸び、

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▲ 県道54号線に沿って進んでいき、

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▲ 現在のセブンイレブン福岡横浜2丁目店あたりで積込みを行っていたようです。

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▲ この一つの痕跡から今山の砕石工場の歴史、終戦後の米軍の動き、引込線の痕跡まで色々とたどることができました。

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▲ 何気なく通ってたこの場所にもいろんな歴史があったんですね。

まさに路上遺産といった感じで面白いですね。

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Y氏こと山田孝之が福岡のちょっと変わった観光スポットや路上ネタを紹介します。著書:福岡路上遺産(海鳥社)
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