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高塔山にカッパが封じ込められている?

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▲ 高塔山にある展望台。

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▲ 若松を一望でき、夜景も美しいことから人気のスポットになっています。

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▲ そんな高塔山の展望台近くにはこんな建物があります。

[map addr=”福岡県北九州市若松区修多羅(大字)802”]
▲ 場所はこちら。福岡県北九州市若松区修多羅(大字)802

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▲ ちょっと和風の宇宙船っぽくてカッコいい。

実はここにはカッパが封じ込められているらしいのです。

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▲ 中に入ってみるとこんな地蔵があります。

この地蔵には次のような言い伝えがあるのだそうです。

背中に大きな釘を打たれたこの坐り地蔵には修多羅村の河童の話が伝えられています。 馬を池の中に引きずりこもうとして失敗した河童を庄屋が捕まえ、地蔵の背中に舟釘を打ち込んで釘のある間はいたずらをしませんと河童に誓わせたという話です。(現地案内看板より引用)

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▲ この話は小説家の火野葦平も「石と釘」題材にしていますが、火野葦平バージョンは下記のようなものです。

河昔、この高塔山の上空で、島郷と修多羅のカッパ群が、縄ばり争いのため、夜、手に手に葦の葉を太刀のようにひらめかして飛びたち、空中戦をした。朝になると、戦死したカッパは、青いドロドロの液体になって田や畠に流れ込み、稲や野菜を腐らてしまった。

これを、聞いて現れたのが、日向の名貫川で、名痛坊というカッパを、ヘチマの葉に封じ込んだ堂丸総学という山伏である。総学は、人々の苦しみを救うため、法力によってカッパを地中に封じ込めようと決心し、この地蔵の前で祈祷を始めた。

石の地蔵をやわらかくする為の祈祷である。これを見たカッパ達は、すぐに仲間争いをやめて連合軍を作り、美女に化けて誘惑し、金銀をつみ、お化けとなり、糞尿をたれ流して妨害したが、総学の祈祷は続けられた。

やがて、何千べん目かの日の沈む頃総学が石地蔵に触れた時、石がへこんだので、釘と金槌を取り上げ石地蔵の背中にあてた。経文が下におかれたすきに、カッパたちがとりついたが、総学は、経文をとなえながら、釘を打ちこみ、釘が半分入った時、力つきて倒れた。しかし、一念は成就して、カッパ達は木の葉のように舞い落ち、永遠に地中に封じ込められた。

今でも、この石地蔵の背中には、釘が打ちこまれたままになっている。(現地案内看板より引用)

要約すると下記のような感じ。

・島郷村と修多羅村のカッパが縄張り争いをしていた
・カッパの死体が田畑を腐らせるので困っていた
・堂丸総学というカッパ封じの名人である山伏が現れた
・するとカッパたちは争いをやめて今度は堂丸総学を美女に化けて誘惑したり糞尿で攻撃したりした
・祈祷の結果、地蔵の背中に釘を打ち込んで中にカッパを封じ込んだ
・ここにある地蔵の背中に釘が刺さっているのはそのため

う〜ん、言い伝えとはずいぶん話が異なっていますが、火野葦平バージョンはなんとも生々しく、ドラマチックに感じますね。

ということで地蔵の背中を確認してみると・・・

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▲ おぉ!!確かに釘が刺さっていますね!

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▲ なんとも珍しい釘の刺さった地蔵。

これを抜いちゃうとカッパが出てきて大変なことになるのでしょうね・・・。

Y氏(山田全自動)
ふるほん住吉店主:Y氏(山田全自動)
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福岡で古本屋「ふるほん住吉」の店主をしつつ、ブロガー/イラストレーター/執筆業などをしながら自由気ままに暮らしています。著書:福岡路上遺産(海鳥社)、福岡穴場観光(書肆侃侃房)、山田全自動でござる(BOOKぴあ)など
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