福岡で一番古い時計屋に行けばチープカシオなどレトロな時計が買えるのか?→確認に行ってみた
レトロな時計が欲しい!それなら福岡で一番古い時計屋に行けば買えるのでは?ということで探しに行ってみました。
▲ 突然ですが みなさん「チープカシオ」ってご存知でしょうか??
チープカシオとは1000円ぐらいで買えるカシオ製の安い腕時計のことです。
イメージとしては20〜30年前におじさんがつけていたような時計、もしくは小学生がお父さんからもらったような時計、といったところでしょうか。
▲ そんな安い時計のチープなデザインが逆にイケてるということで若者を中心に大流行していて、チープカシオだけを取り扱う専門書まで出版されるほど。
▲ かくいうわたくしも完全に流行に流される形で最近チープカシオを愛用しています。
とても気に入っているのですが、ひとつだけ納得いってないことがあります。
それは・・・当時モノではない!ということ。
▲ このチープカシオはアマゾンで購入したものです。
つまりどういうことかというと、ごく最近製造されたものなわけです。
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なんだか、最近オープンしたホーロー看板と日活映画のポスターをベタベタと壁に貼り付けた昭和”風”の居酒屋(ホッピーをやたらプッシュしている)みたいな「作られたレトロ感」がヤダ!!
どうせチープでレトロな時計を使うのであればガチに昔のヤツがいい!
そんな想いで日々を過ごしていたわけです。
それである時、ふとひらめいたこと・・・それは・・・
古い時計屋、しかも福岡で一番古い時計屋に行けばガチでレトロな時計がざくざく眠っているのでは?!
誰にも発見されないままデッドストックの状態で昔の商品があるんじゃないか?そんなことを思いついたわけです。
でも福岡で一番古い時計屋ってどこ?!
▲ いろいろと調べてみると、どうやら博多区住吉にある「幸田時計店」が福岡で最も古い時計屋のようです。
ということでさっそく行ってみることに。
▲ 住吉神社のひょうたん池から150メートルほど南に進んだ場所に古い町家の雰囲気を残す一角が。
▲ そこに大変レトロな佇まいで幸田時計店がありました。
▲ ショーウィンドウの中に飾られているビーナスの振り子時計もいい感じ。これはレトロな商品が眠っているに違いない!
さっそく中に入ってみると・・・・
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▲ うお〜!これは期待できそうだ〜〜!
▲ あるある!レトロっぽいのが!消費税導入前のが!
▲ いいね〜いいね〜!やはり一番古い時計屋に行けばガチでレトロな時計がざくざく眠っているというのは間違いではなかった!
▲ どんな商品があるのか、お店のご主人に尋ねてみましょう。
「すいませ〜ん・・・」
「はい、いらっしゃい」
「あの〜、カシオの古い腕時計を探しているのですが・・・」
「あ〜カシオね〜、ごめんね、ウチはカシオはあつかっていなんですよ」
「え?!そうなんですか!?」
「カシオは他の時計とちょっと構造が違っているからね〜。ウチではあつかわないんですよ。カシオを入れてない時計屋ってけっこう多いんですよ」
「そうだったんですね・・・」
「でもセイコーの時計ならありますよ。ウチはセイコーがメインですから。ただ、あなたの好みに合うかどうか・・・」
「↑ おぉ!このへんのやつですね!かなりいい感じです!」
「いや、でもデザインも古〜い時計ですよ。新しいデザインのほうが若い人は好きでしょう?」
「いや、むしろこういう感じのものを探しているんです!」
「あなた変わった人やねぇ〜」
「いえいえ、今こういうのが流行っているんですよ。探しに来る人も多いんじゃないですか??」
「いや〜、そういう人は初めてやね。じゃあこんなのはどう??」
「うぉ〜!めちゃめちゃイイです!」
「こういうのが良いとね?じゃあちょっと出してみようか?」
「はい!ぜひお願いします!」
「ずいぶん昔のやつだから今はもうどこも売ってないかもね」
「カッコいいです!この絶妙な黄色がカワイイですね〜」
「つけてみていいですよ」
「この小学生っぽさが最高です!気に入りました!『ALBA』と書かれていますがこれはブランド名ですか?」
「『ALBA』はセイコーが出してる時計ですよ。なのでモノはしっかりしてますよ」
「そうですか〜、じゃあ品質も安心ですね。ちなみにこの時計はおいくらですか?」
「これはね〜、え〜っと、3500円」
「安っ!買います!」
「↑あと、そこにあるやつも気になるのですが・・・」
「あら、こりゃ良い商品やね〜!こげな商品置いとったかね?あなた良いの見つけてくるね〜」
「これも絶妙なレトロ感がたまらないですね〜」
「でもこれ女性用だよ?」
「いや、むしろそこが良いんです!」
「若い人の考えることは面白いね〜!笑 今日は良い日ばい!」
「↑この辺のキャラクターが入ったやつもカワイイですね〜」
「昔そういうやつが流行ったんですよ。こういうのも最近はもう売ってないでしょうな」
「↑ メガネもあるんですね!」
「これも昔のやつだから今の人が使うような新しいのはないですよ」
「いやいや、こういうブロウ型のメガネって今また流行ってるんですよ!ぜったい欲しい人たくさんいると思いますよ!」
「それにしてもずいぶん歴史を感じるお店ですね。いつぐらいからやっているんですか?」
「ウチは明治21年の創業ですので120年以上営業していますよ。日清戦争とか日露戦争より前です」
「120年以上?!むちゃくちゃ歴史のある時計屋さんなんですね!」
「うん、わたしのおじいさんが江戸時代に帆船を作る事業をやっていたのが元になっているんです。もともとは関東の方にいたのですが、長崎に行ったときに外国人から時計の修理方法なんかを習ううちに外国の懐中時計とか珍しいものを譲ってもらって、それを販売するようになったんです」
「へぇ〜!当時時計を販売している日本人はいなかったでしょうね!」
「たぶん、いなかったでしょうね。それで時計に特化するようになって明治時代に中島町(今の中洲中島町)に時計屋を開いたんです」
「↑当時ウチが出してた新聞広告もありますよ。ほら、『博多中島町』って書いてるでしょう?」
「おぉ!ホントですね!イラスト付きで洒落た広告を出していたんですね」
「あと、キャナルシティの横にある古い高燈籠にもうちの名前があるんですよ」
「そうなんですね!昔の博多の店がたくさん書かれているやつですよね?たしか明治30年ぐらいに作られた・・・。あれにも名前があるんですね!」
「『幸田時計舗』という昔の店の名前でのってますよ」
「すごい!ホントに歴史があるんですね・・・」
「中島町のほうの店は昭和20年の空襲で焼けてしまったから今の場所に移転したんです。昔店があった場所は今では昭和通りの中央分離帯になってますよ。なのでわたしの戸籍は終戦後しばらく中央分離帯にあったんですよ 笑」
「へえ〜 笑」
「あと山笠の時計係もウチでしてますよ」
「え?!山笠のタイムを計っているのは幸田さんだったんですか?!」
「うん、私と息子と孫、三代でやってます」
「そうだったんですね・・・知らなかった!タイムを計っているのはストップウォッチなんですか?」
「ストップウォッチと懐中時計を使ってますよ」
「それって見せてもらうこととかできませんかね・・・?」
「いいですよ」
「金庫で保管してるからちょっと待ってね」
「金庫で!やっぱり大切なものなんですね・・・」
▲ そして小さな木箱の中から取り出されたのが・・・
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▲ こちらの時計!
「これがその時計ですか!美しい!貴重な品ですね〜!」
「息子たちはストップウォッチを使って、わたしはこの懐中時計を使っています」
「ちなみにこれもセイコー製ですか?」
「そうそう、セイコーのやつです」
「お〜、これはトリビアですね〜!山笠のタイムを計っているのはセイコーの時計!・・・ちなみにですが・・・・もしよろしければ触らせてもらうことはできませんよね・・・・?」
「いいですよ」
「いいんですか?!」
「うわ〜なかなかこんな経験できないですよね!ずっしりと重みを感じますね!いろんな重みを!」
「今は止まってますけど山笠の時期にだけ動かしているんですよ」
「いや〜ほんとに貴重なものまで触らせてもらってありがとうございました!」
「じゃあ時計はこの3本を買います」
「3500円と3000円と7000円だから13500円ね」
「3本買っても普通の時計の1本分ぐらいの値段・・・嬉しいです」
「電池が古くなってるのは交換しとくね」
「なにからなにまでありがとうございます!」
「電池が切れたり、バンドが傷んだりしたらまた来てよ〜使った後はちゃんとメンテナンスはせにゃいかんよ〜」
▲ 商品を入れてもらった袋もレトロな感じで大満足!これも今では無いタイプのやつなんだろうなぁ。
▲ どうです?このレトロチープな感じ!どれもかなり気に入りました!
▲ チープカシオも良いけどチープセイコー(チープアルバ)も最高じゃないですか!
チープカシオは普通に買えますが、今回手に入れた時計は探してもなかなか買えないのではないかと思います。
型番をネットで調べてみても全く出てきませんし、けっこうレアなのかも?!
▲ 幸田時計店、珍しい商品は置いているし、優しいご主人の歴史話は面白いし、とても楽しいお店でした。みなさんもぜひ行ってみてくださいね。
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