【佐賀】見えないのに世界遺産になってしまった佐賀県の三重津海軍所跡を見に行ってみた
皆さん、佐賀県に世界遺産があるのをご存知ですか??
▲ その世界遺産がこちら!
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・・・・わからない??
では少し近づいてみましょう。
▲ これが世界遺産です!
▲ このへんも世界遺産!
▲ 世界遺産の上に立ってみました。
ただの芝生の広場では??と言われそうですが、まあその通りです。
実はこの下に世界遺産が埋まっているんです。
▲ 何が埋まっているのかというと、この木組み。(写真:佐賀市教育委員会 提供)
これ、ただの木組みではなくとってもスゴイものなんです。
▲ これは現存しているもので国内最古の「ドライドック」の跡なんです。(写真:佐賀市教育委員会 提供)
ドライドックとは船を製造したり修理したりする施設のことです。
▲ 三重津海軍所跡は有明海に注ぐ筑後川の分流である早津江川の河口付近にあるため、そこにあったドックは日本最大とも言われる潮の干満差を利用して船を出し入れする仕組みになっています。
潮が満ちている間に船をドックに入れ、潮が引いたらドックの入り口を仕切って水が入ってこないようにし、作業が終了したら仕切りを外して水を入れ、また川に戻すという仕組みです。
▲ その様子をあらわした模型がこちら。右側部分が仕切られていて水が入らないようになっています。
▲ 幕末、早津江川の河口付近に佐賀藩の「三重津海軍所」がありました。
▲ この三重津海軍所の開設を佐賀藩に提案したのが佐野常民です。
佐野常民は日本赤十字社の創始者として有名ですが、それ以外にも様々な功績を残した人物です。
大坂にあった緒方洪庵の適塾や江戸にあった伊東玄朴の象先堂塾で学び、佐賀に帰った後、多くの藩士とともに、幕府が長崎に設置した長崎海軍伝習所に派遣され、船の操縦や建造、航海などの技術や知識を学びました。
▲ 一方、長崎海軍伝習所で学んだ技術などを藩内に伝えるため、佐賀藩では藩所有の船を管理する場所であった「御船屋(おふなや)」を「御船手稽古所(おふなてけいこしょ)」として洋式船の運用技術などの教育を行うようになりました。
これが三重津海軍所の始まりです。
長崎海軍伝習所の閉鎖後、佐野常民が監督となって、ここ三重津で教育や訓練が引き継がれることになりました。
ここでは洋式船の操縦訓練、演習などが行われたほか、西洋の技術を導入したドックの建設や船を修理するための材料の製造などが行われました。
そうしたものづくりは、西洋のものをそのまま取り入れるのではなく、日本古来の伝統技術を巧みに組み合わせたもので、日本の技術力をさらに高めることにつながりました。
そのことは、自力による日本の近代化に大きく貢献しました。
▲ ・・・と説明を聞いてスゴイということがわかっても、やっぱり何も無いのでイマイチ実感がわかない・・・。
▲ という方のために、三重津海軍所跡に隣設している佐野常民記念館で見えないものをイメージしてもらう「三重津タイムクルーズ」という仕掛けが用意されています。
▲ まずはこちら。
「オキュラスリフト」のコーナー。
Oculus(オキュラス)社が開発中の「Rift(リフト)」は、バーチャルリアリティに特化したヘッドマウントディスプレイと、映像出力用のPCを組み合わせたシステム。
とのこと。
要は双眼鏡のようなものを覗くとコンピューターで作られた映像が見れるというものですね。
▲ このヘッドフォンとヘッドマウントディスプレイ(3Dグラス)をつけるとあたかもタイムスリップしたかのような体験ができるのだとか。
▲ セットしてみました。
若干怪しげですが、これは感動的なほどスゴイ。
当時の三重津海軍所の様子をイメージしたCG映像が流れるのですが、本当にその場所にいるような圧倒的な臨場感。
上を向くと上が見えますし、下を向くと下がちゃんと見えます。
前後左右360度全て見渡すことができて不思議な感じ。
これはぜひ体験してもらいたいです。
▲ そしてもう一つがこの「VR SCOPE」。
▲ これまた先ほどと同じように双眼鏡のようなものを覗くと360度パノラマのCGの映像が見れるというものですが、こちらは実際に現地を歩きながら体験することができます。
▲ VR SCOPEをレンタルする際にVR SCOPEで見るスポットを示したマップがもらえます。
紙を日光に当てると回る順序が出てきます。紫外線を感知して円の部分の文字が浮かび上がってくるのでUVチェッカーとしても利用可能です。
▲ このように旗とパネルでスポットが設置されています。
▲ 1〜5までのスポットを順番に巡っていくと・・・・見えなかったものが見えてくる!
▲ まあ実際には何もないのですが、でも確かに見える!※野鳥観察をしているのではないですよ。世界遺産を見ています。
これはこれで新鮮な感じがして面白いです。
▲ 見えない世界遺産、実はいろいろ工夫されていてけっこう見える!
三重津海軍所跡、みなさんもぜひ見えないものが見える感覚を体験してみてください。おすすめです。
三重津海軍所跡特設サイトはこちら
http://mietsu-sekaiisan.jp/