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福岡市中央区六本松のよくわからない道筋と橋

先日お客さんに話して、ちょっと面白いね となった道筋・橋のお話です。


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▲ 六本松に「樋井川筑肥橋」という橋があります。

ここの道筋って何か変だと思いませんか?

▲ 他の道筋と違って明らかに変な方向に伸びていますし、微妙にカーブしていますし。。。

なんでわざわざ橋を架けてまで こんな妙な道にしたのかな?という感じです。

▲ また、「別府橋」と「樋井川筑肥橋」の間隔が50〜60メートルぐらいしかないので、赤信号で詰まってしまって通れなくなっている車をよく目にします。

道作りの失敗例?!と思ってしまいそうですが、こうなっているのにはちゃんと理由があります。

▲ 実際に樋井川筑肥橋に行ってみましたところ案の定、赤信号で車が詰まりそうな感じになっていました。(※右手側が「別府橋」)

▲ 手前の橋が樋井川筑肥橋、奥の橋が別府橋です。

実はこの風景の中に道筋がこうなっている答えがあります。

どこにあるかわかりますか?

▲ 樋井川筑肥橋に描かれているこの車輪マーク。

▲ 勘のいい人はもうお気づきですね。

そうです、この道筋は線路の廃線跡なのです。

▲ 昭和36年の地図を見てみると、樋井川筑肥橋の部分が ちゃんと線路になっていて、道筋もピッタリと一致します。(※地図は「昭和23年、昭和36年の福岡と現在の福岡(塔文社 レトロマップシリーズ5)」より)

この路線は国鉄の旧筑肥線です。

以前は博多から伊万里を結ぶ鉄道でしたが、1983年に博多〜姪浜間が廃止となってしまい、線路跡を道路として利用したため現在のような形になっているのです。

樋井川筑肥橋の「筑肥」とは筑肥線のなごりなのですね!

▲ 1983年の廃線直後ぐらいに撮影されたと思われる航空写真をみると、まだ線路が残っている状態でした。(※写真は「ふるさと飛行 福岡県航空写真集(1983年 西日本新聞社 発行)」より)

▲ ここに鉄道があったと思うとなんだか不思議な感じがします。

▲ ちなみに、樋井川筑肥橋から西に進む道は「六本松4丁目南」の交差点で途切れていますが、そこから先の部分は廃線跡を緑道として整備して利用されています。

▲ 緑道は毎日通っているけど鉄道跡だとは知らなかった!という人も多いみたいですので、お友達に教えてみるとちょっと盛り上がるかもしれませんよ。

【参考文献リスト】
・ふるさと飛行 福岡県航空写真集(1983年 西日本新聞社 発行)
・昭和23年、昭和36年の福岡と現在の福岡(塔文社 レトロマップシリーズ5)

Y氏(山田全自動)
ふるほん住吉店主:Y氏(山田全自動)
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福岡で古本屋「ふるほん住吉」の店主をしつつ、ブロガー/イラストレーター/執筆業などをしながら自由気ままに暮らしています。著書:福岡路上遺産(海鳥社)、福岡穴場観光(書肆侃侃房)、山田全自動でござる(BOOKぴあ)など
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