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【福岡の絵葉書】天神中央公園で旧県庁の痕跡を探す

福岡市天神にある「天神中央公園」。

「中央」の名の通り、まさに福岡市の中心部にある公園で、市民の憩いの場となっています。


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▲ 住所も「福岡県福岡市中央区天神1丁目1−1」と、非常に美しいです。

この場所には1876年から1981年までの約100年間、福岡県庁が置かれていました。

しかし、「建物の老朽化と施設設備の機能低下等により、行政需要の増大に伴う機構の拡充に対応できず、昭和56年11月に福岡市博多区東公園に移転(天神中央公園のサイトより引用)」されました。

▲ 「ふるさと飛行 福岡県航空写真集(1983年 西日本新聞社 発行)」を確認してみると、まさに取り壊し途中の様子を見ることができました。

県庁舎は赤い屋根のモダンな建物だったのですね。

現在は県庁舎はなくなっていますが、じつは公園内には旧県庁舎の痕跡をいくつか見ることができます。

▲ まず、一番目立つのがこちらの噴水広場。

まるで神殿跡のような雰囲気です。

天神中央公園のサイトをみると「福岡県庁が天神にあったとき使われていた石柱や石材を使い、公園の顔となっているのが噴水広場です。」と書かれています。

では、具体的に県庁舎のどこに使われていた素材なのか、古写真で調べてみました。

▲ 福岡市発行「ふるさと100年」に旧県庁舎の写真をみつけました。

階段を上がった部分に石でできた柱がみえますね!

▲ こちらの部分です。

▲ 柱の上部がやや細みを帯びている感じやレイアウトなどがほぼ一致します。

▲ ときどき水が流れている段になっている部分はもともと階段だったのですね。

▲ さらに、こちらの絵葉書を入手しました。

よりクリアに柱を確認できますね。

やはり噴水の柱はこの場所にあったもので間違いないようです。

▲ 噴水は正面玄関の前にあった石柱を台座や階段も含めてそのまま使用したものだったのですね!

▲ 上記の絵葉書を確認すると、手前側のこの柱はもともと どんぐり型の電灯が付けられていたようです。

▲ よ~く見ると ちゃんと電灯の跡が残っていますね。

▲ そして木の中にうずもれかけている こちらの石柱。

これもあやしいですね。

こちらも絵葉書調べてみると・・・

▲ ぴったり同じ形の石柱を発見することができました!

正面入口に使用されていた「福岡県庁」と書かれた門柱の痕跡のようです。

左右にに鉄格子の扉が取り付けられていたようです。

▲ 確認してみると、ちゃんと鉄格子の扉の跡が残っていました。

▲ その他にもこういうものや、

▲ こういうもの、

▲ そしてこんな巨大なものまで、元建物跡と思しきものがゴロゴロと転がっています。

▲ 入口にあるこちらも何かの痕跡のように見えますね。

この他にも古写真と照らしあわせて確認してみるとどの位置に使われていたものなのか分かりそうな物体がありそうですので、引き続き調査していきたいと思います。

【参考文献】
・ふるさと飛行 福岡県航空写真集(1983年 西日本新聞社 発行)
・ふるさと100年(福岡市 発行)

Y氏(山田全自動)
ふるほん住吉店主:Y氏(山田全自動)
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福岡で古本屋「ふるほん住吉」の店主をしつつ、ブロガー/イラストレーター/執筆業などをしながら自由気ままに暮らしています。著書:福岡路上遺産(海鳥社)、福岡穴場観光(書肆侃侃房)、山田全自動でござる(BOOKぴあ)など
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