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Y氏が愛した飛地(とびち) BEST 3

飛地(とびち)ってなんだか不思議な魅力がありますよね。

北斗の拳の敵がやられる時の音(声?)の「あべし!」とか「ひでぶ!」にも似た「とびち!」という言葉の響きもステキです。

一応、飛地って何??という人のために説明しておきますと、ある都道府県や市町村の中に ぽつんと別の都道府県・市町村が入っている状態のことです。

例えばこちら。


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▲ 埼玉県新座市の中に東京都練馬区西大泉町が ぽつ〜んとあります。

なぜこうなってしまったのか不思議ですよね。

一説によると、昔、土地開発の業者がこの地域が埼玉県新座市であるにも関わらず、間違って東京都練馬区西大泉町と提出してしまったために このようになったらしいです。

間違いを修正しようとしたのですが、やはり東京都練馬区と埼玉県新座市では地価に大きな違いが出るので、住民から反対にあってしまい結局そのままになっているらしいです。

ちょっと面白いですね〜!

このような飛び地をY氏セレクトで3つ紹介したいと思います。

第3位 北山村まるごと飛地


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▲ 三重県の中に和歌山県東牟婁郡北山村がまるごと収まっています。

▲ こちらのほうがわかりやすいでしょうか。(※地図は「Wikipedia 北山村」より)

市町村単位でまるごと飛び地になっているのは北山村が日本で唯一らしいです。

▲ 北山村は昔から北山村の材木を北山川下流の新宮に流して売ることで生計が成り立っている村でした。

明治時代の廃藩置県で新宮が和歌山県になると、結びつきの強かった北山村は三重県の領内にあるにも関わらず和歌山県に入ることを望んだのだそうです。

それが聞き入れられて、現在でも北山村だけは和歌山県になっているのだそうです。

第2位 よみうりランドの飛地


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よみうりランドの飛び地はこちらの地図のほうがわかりやすいです。

よみうりランドの敷地内で神奈川県川崎市多摩区の中に東京都稲城市矢野口が入っています。

この場所が飛地になった理由ですが、こちらのページの記述を引用すると次のような説があるそうです。

元々稲城市も川崎市多摩区も同じ神奈川県でした。(明治時代の話です)現在の稲城市側は神奈川県南多摩郡稲城村、川崎市側は神奈川県橘樹郡稲田村と呼ばれており、当時から飛び地だったかどうかははっきりしません。この地は、当時神奈川県南多摩郡稲城村矢野口在住の地主の農地だったという説があります。その後、南多摩郡が東京府に移管され行政区分上その地は稲城村の飛び地になったのではないでしょうか?

そしてこの場所では飛地ならではの興味深いできごとが発生しています。

この場所には以前、読売ジャイアンツの屋内練習場がありましたが、2002年4月にロッカールームのグローブが盗まれるという事件が発生しました。

神奈川県川崎市に属する窓から侵入して、東京都稲城市に属するロッカーから盗んだため、東京都管轄の警察が動くか、神奈川県管轄の警察が動くかで大混乱になったそうです。

最終的には両方の警察が協力して捜査することで決着したそうですが、飛地ならではの面白い(といったら不謹慎ですが)事件ですね。

第1位 熊本と福岡の「友情の証」な飛地

福岡県大牟田市に熊本県の飛地が3つあります。

こちらこちらこちらの地図がわかりやすいです。

こうなった理由ですが、実はこの土地は熊本と福岡の友情ストーリーが関係しています。

江戸時代、福岡の大牟田市あたりは水不足に悩まされていました。

熊本側に川の上流があったのでどうしようもなかったのですが、やさしい熊本は川を二股に分けてくれ、福岡側にも水が行くように工事を行ってくれました。

そのお礼として福岡の土地を3ヶ所プレゼントしました。

それが現在でもそのまま残って飛地になっているのだそうです。

人間が勝手に作った ただの境界線ですがそこにはさまざまなストーリーがあって面白いですね。

その他にも面白いヒストリーが隠された飛地がないか、今後も調査を続けてみたいと思います。

【参考文献リスト】
自治体の飛び地
Wikipedia 北山村
KeeeeeNMeN!飛び地編再び2
筑後に有る肥後の飛び地

Y氏(山田全自動)
ふるほん住吉店主:Y氏(山田全自動)
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福岡で古本屋「ふるほん住吉」の店主をしつつ、ブロガー/イラストレーター/執筆業などをしながら自由気ままに暮らしています。著書:福岡路上遺産(海鳥社)、福岡穴場観光(書肆侃侃房)、山田全自動でござる(BOOKぴあ)など
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