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黒田家の別邸(茶屋)があった鳥飼団地

鳥飼団地の場所にはいろいろなおもしろい歴史があるようです。IMG 7552
▲ 中央区にある鳥飼団地。

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▲ 団地の前には「神功皇后御駐輦之跡(じんぐうこうごうごちゅうれんのあと)」と書かれた碑が建てられていますが、実はこれ、この場所にもともと鳥飼八幡宮があったことを示す石碑なのです。

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▲ 神功皇后は三韓征伐より帰国した際、鳥飼村の住人から手厚く迎え入れられ、その感謝の気持ちとして住人に自ら酒をふるまいました。

その感激を後世に伝えるために住人たちが御社を建てて祀ったたことが鳥飼八幡宮の起源になっています。

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▲ でも、その御社を建てた場所というのは現在の鳥飼八幡宮ではなく、鳥飼八幡宮から南に500メートルほど進んだ鳥飼団地の場所だったそうです。

鳥飼八幡宮は鎌倉時代ぐらいまでは広大な敷地を持ち隆盛を極めましたが、南北朝時代〜戦国時代にかけてたびたび戦火に巻き込まれ荒廃していました。

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▲ 時代を経て江戸時代になると黒田氏が福岡にやって来て福岡城を築城しました。

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▲ 黒田長政は荒廃した鳥飼八幡宮を復興させるべく、現在地に鳥飼八幡宮を移し、新たに神殿を築きました。

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▲ そして旧鳥飼八幡宮の場所には黒田家の茶会を催すための別邸が作られ、「茶屋内」と呼ばれるようになりました。(地図は九州公論社発行の復刻地図「福岡城及び福岡・博多古図」より)

福岡の名所旧跡をまとめた「筑前国続風土記」には黒田長政が船で大堀を渡って城と茶屋を行き来していたということも記されています。

当時はここから大堀が一望できる風光明媚な場所だったことから、この地に茶屋を作ろうということになったのかもしれませんね。

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▲ 元鳥飼八幡宮で元黒田家の茶屋だった鳥飼団地。

一つの石碑からさまざまなおもしろいことが分かるものですね。

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▲ ちなみに明治時代には福岡女子師範学校が建てられていた場所でもあるのだそうです。

鳥飼団地、ホントにいろいろな歴史があるんですね!

【参考サイト】
福岡県神社巡り 福岡神社参拝帳 鳥飼八幡宮

Y氏(山田全自動)
ふるほん住吉店主:Y氏(山田全自動)
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福岡で古本屋「ふるほん住吉」の店主をしつつ、ブロガー/イラストレーター/執筆業などをしながら自由気ままに暮らしています。著書:福岡路上遺産(海鳥社)、福岡穴場観光(書肆侃侃房)、山田全自動でござる(BOOKぴあ)など
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