薬院大通にある戦争遺跡
薬院大通に戦争遺跡が残っているとの噂を聞きつけましたので調査に行って参りました。
薬院大通は福岡県でも大動脈的な交通量の多い道路で、この道の地下には地下鉄も走っています。
本当にこういう大通り沿いに戦争遺跡があるのでしょうか。
▲ その遺跡がある場所はこちらの緑の矢印の場所です。
▲ いつもの光景・・・。3日に1回は通っているので、個人的には非常になじみのある道路です。
▲ 「南薬院」のバス停を降りてすぐのこの場所にあるということです。
何かポツンと見えますね・・・。
▲ おぉ!石柱が埋まっていますね!
「陸軍」と書かれているようです。
▲ 上部には横線、側面には数字の「四」が書かれているようにみえます。
▲ 周囲をグルっと調査してみましたところ、複数個の石柱を発見しました。
▲ 駐車場の入口部分に埋まっているので車のタイヤで削られてしまったのか上の部分が欠けてしまっています。
時代が時代なら怒られそうですが・・・。
▲ こちらも発見。
▲ 側面には「十」と書かれているようです。
▲ こちらは「三」ですかね。
▲ 「一」。
▲ 「ニ」。
▲ 「五」。
▲ このように埋まっていたり、撤去されているものもいくつかあるようでした。
おそらく「一」〜「十」までの石柱が順番に並べられているのではないかと思います。
ただ、それらが何を示しているのかはよくわかりません。
この場所には何があったのか
薬院近辺は戦時中は軍関係の施設が数多くありました。
この近くの福岡中央高校の場所に軍司令部があり、九電記念体育館部分には振武寮という特攻隊員の収容施設がありました。
そしてこの石柱の場所は「財務支局に残る国有財産台帳では、「旧陸軍省福岡連隊区司令部」(朝日デジタルより引用)」とされているそうです。
軍関係の施設が集中していたため、福岡大空襲の際にも焼夷弾によって大きな被害を受けた歴史があるそうです。
▲ 建物の入口部分には赤レンガの壁と花壇が一部残っているようです。
黒くすすけたように見えるのは、もしかしたら その空襲の時のものでしょうか。どうなんでしょうか。
戦時中は、現在のこの周辺の穏やかな風景から考えられないような物々しい雰囲気がただよっていたのでしょうね。
そういった過去を忘れないためにもこの小さな石柱は残し続けてもらいたいものですね。
【参考文献】
・Wikipedia「振武寮」
・Wikipedia「福岡大空襲」
・朝日デジタル「戦争遺跡、福岡市中心部に 旧陸軍省の管轄示す標柱」