給料までまるわかり!?幕末までのご先祖様をさかのぼって確認する簡単な方法
幕末までであればご先祖様を確認するのは意外と簡単なようです。実際にやってみましたのでどんな手続が必要か、どれぐらいの料金がかかるかなど紹介したいと思います。
< もくじ >
幕末までのご先祖様を確認するのは意外と簡単
幕末までのご先祖様を確認するのは意外と簡単です。
僕がやったのは市役所に「除籍謄本」というものを請求して調べるやり方です。
明治19年以降に作成された戸籍のみが取得可能なため、それ以前に作成されたものは取得ができません。
というのも、明治19年以前に作成された「壬申戸籍」といわれるものには身分までもが記載されており、差別につながるということで閲覧が禁止されているのです。
そのため、明治19年に生きていたご先祖様以前のものを確認するためには墓石を確認したり、古文書を確認したりする必要があるため、専門的な知識が必要になってきます。
つまり、幕末〜明治初期までは市役所の書類のみで確認可能で、もっと昔のご先祖様を調べたいという場合は行政書士など専門の方に依頼しないと難しい、という感じです。(※ただし専門の人にお願いしたらお金が結構かかるようです)
除籍謄本を取得する方法
それでは具体的なやり方です。
市役所、区役所の窓口に行って
「遡れるだけの除籍謄本を発行して下さい」
とお願いするだけです。(→僕が参考にしたサイトはこちら)
基本的にはそれだけです。役所の方も慣れているのでそう言うとだいたい「先祖を調べているのだな」と分かってもらえると思います。
ちなみに、戸籍の保存期間は150年(以前は80年)なので、古いものが既に処分されている可能性もあります。ですので後になればなるほど さかのぼれなくなります。やるなら早めのほうが良いです。
発行を依頼する書類に発行理由を記載する場所がありますが「家系図作成のため」と書けば問題ありません。
ただし、取得できるのは直系のご先祖様のみ
取得できるのは直系のご先祖様のみです。直系とは父母、祖父母、曽祖父母、高祖父母、高祖父母より上・・・のことです。
例えば僕が妻の家系が面白そうだからといって妻の家の除籍謄本を取得することはできないということです。
当たり前ですが友人なども取得できません。
引越しをしている場合はちょっとややこしい
僕のご先祖様は、父の系統も母の系統も代々同じ土地(仮にA市とします)で暮らしてきたようですが、父母は別の土地(仮にB市とします)に引っ越しています。
ご先祖様がA市に暮らしていた(祖父母は現在もA市に暮らしている)事を知っていたので、直接A市に行って除籍謄本と発行してもらおうとしました。
▲ このようなイメージです。
この場合、私と祖父母以前のつながりが直系であることの証明ができません。
そのため、祖父母と僕がつながっていることを証明するために、一度B市に行って私と父母つながっている、さらには父母と祖父母がつながっていることが分かる戸籍謄本を取得してきて下さいと言われました。
B市へ行き、戸籍謄本を取得し、その戸籍謄本を持って再びA市へ行き、直系の証明ができましたので発行が可能となりました。
僕の場合は父母が引越しはしていましたが、ともに代々ご先祖様が同じ市町村に住んでいたので取得が楽でした。
出身が別々だった場合や引越しを繰り返している場合は、この直系の証明をそのつどしなければならないので少し手間がかかります。
ただ、難しい作業ではありませんので時間のあるときに少しずつやっていけばいいかと思います。
料金はいくらかかるか
これはどれぐらいさかのぼれるかによって違ってきますが僕の場合は下記のようにさかのぼることができて8,000円ぐらいかかりました。
▲ ひいひいひいおじいちゃん、ひいひいひいおばあちゃんまで遡ることができました。
「廃棄証明書は発行しますか?」と聞かれて、よくわからなかったのでお願いしますと答えたため、廃棄証明書の発行料金がかかってしまいました。
たぶん個人で趣味として同じような事をする場合は廃棄証明書は必要ないと思いますので、発行しないと言うと実際にはもう少し安くなると思います。
謄本の見方・読み方
謄本の見方もそこまで難しくはないです。
自分から父母、祖父母、曾祖父母・・・・と図を書きながらじっくりたどっていくとよいです。
簡単な見方であれば役所の職員の方に尋ねると教えてもらえると思います。
また、ネット上にもたくさん読み方の解説がありますのでこれらを参考にしながら見ていくと簡単です。
戸籍謄本を解読する
http://kakei-info.com/kouza%204.html
【3.戸籍の基礎知識】 -9.明治19年式戸籍の見方
http://souzoku.kouekisya.com/3-09.html
ご先祖様が武士の場合は給料までわかるかも
さらに発展させて、ご先祖様が武士であることがわかっている場合は、少し調べるとご先祖様がどれぐらいの給料をもらっていたかも分かるかもしれません。
江戸時代、各藩で「分限帳」という武士の名簿のようなものをつけていました。
ここには武士の名前と給料(石高)が記載されていますので自分のご先祖様を探し出すことができれば、ご先祖様がどれぐらい稼いでいたかがわかります。
例えば、福岡藩であれば「福岡藩分限帳集成」という本が発行されています。アマゾンで購入することもできますが、図書館にもあるかと思います。
その他にも「薩摩藩(鹿児島)」「長州藩(山口)」などメジャーな藩であれば簡単に見つかります。※ただし、ご先祖様が生きていた時代のものではない可能性もありますので注意が必要です。
▼ 下記サイトに分限帳の一覧がありますので参考にしてみて下さい。
武士の先祖探し・家系図作成
http://24senzo.net/blog-entry-1.html
一例として、佐賀藩の分限帳をのぞいてみましょう。
▲ 原本はこんな感じのくずし文字で書かれています。
ありがたいことに佐賀藩の分限帳が読みやすく翻訳されたものが発行されています。
▲ メジャーな人物、大隈重信(八太郎)を見てみましょう。
「物成百弐拾石 大隈八太郎」と書かれています。※「物成」とは支給方法のようなものですがここでは深く解説しません。
百弐拾石=120石です。
1石を現在のお金に換算するといくらかというのは諸説あって、大体、3〜10万円の幅で議論されます。
ここでは間をとって1石=6万円で計算してみましょう。
そうすると、120×6=720 つまり、720万円が大隈重信のおおよその年収です。
▲ 次は日本赤十字の創始者、佐野常民(栄壽左衛門)を見てみましょう。
「切米七拾石 佐野栄壽左衛門」と書かれています。※「切米」とは支給方法のようなものですが、こちらもここでは深く解説しません。
七拾石=70石です。
70×6=420 つまり、420万円が佐野常民のおおよその年収です。
▲ それでは殿様クラスの人たちはどれぐらいもらっていたのでしょうか?
佐賀藩の支藩の藩主、鍋島欽八郎(直虎)を見てみましょう。
「物成弐万九千三百壹石 鍋島欽八郎」と書かれています。
弐万九千三百壹石=29301石です。
29301×6=175806 つまり、17億5806万円が鍋島直虎のおおよその年収です。
殿様はさすがにレベルが違いますね。
武士の先祖探し(方法)←ご先祖様が武士だったかもしれない人はこちらのサイトが参考になりますよ
まとめ
いかがだったでしょうか?
自分のルーツになったご先祖様を探る旅、ちょっとお金はかかってしまいますが、なかなか興味深いものですよ。
↓ 本などもたくさん出ていますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
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