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【仏像】目が上下を向いている不動明王

巨大な涅槃像で有名な篠栗の南蔵院にはけっこう大きな不動明王像があります。


▲ 注目していただきたいのは不動明王像の目。

右目は上を向いていて、左目は下を向いています。

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▲ 他の不動明王像を見てみると、普通にまっすぐ向いた目のものもあります。

調べてみると、この上下を向いた目は「天地眼」というものだそうです。

不動明王 ~明王の部vol.1~ | 六菖綺譚」によると、

「天地眼【てんちがん】」といい、上から下まで全てを見渡している事を示します。しかし、この特徴は平安時代中期以降のもので、それまではまっすぐ前を見据えており(平常眼【へいじょうがん】)、髪の毛もストレートでした。

とあります。なるほど、この目は天から地までを一気に見渡すためのものだったのですね。

平安中期以降、だんだん天地眼が使われるようになったということのようです。

よく見ると牙も上下になっていますね。


▲ 不動明王は悪や煩悩多き民衆を見てこんなに怒った顔をしているのだそうです。

怒って周りを見渡しているうちに天から地まで見れる天地眼になったのかもしれませんね。

しかし、怒っているからといって罰を与えるのではなく、正しい道に力づくで(?)導いてくれるそうです。


▲ ちなみに、南蔵院の涅槃像については過去の記事で書いています。

↓↓↓

住職が宝くじで一億三千万円当てた南蔵院の涅槃像の大きさに感動して胎内参拝してスクラッチを削った結果

【参考文献】
不動明王 ~明王の部vol.1~ | 六菖綺譚

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ふるほん住吉店主:Y氏(山田全自動)
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福岡で古本屋「ふるほん住吉」の店主をしつつ、ブロガー/イラストレーター/執筆業などをしながら自由気ままに暮らしています。著書:福岡路上遺産(海鳥社)、福岡穴場観光(書肆侃侃房)、山田全自動でござる(BOOKぴあ)など
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