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【佐賀】スティーブ・ジョブズの思想の原点は佐賀にあった!? 武士道論書「葉隠」発祥の地

佐賀市の金立町に武士道論書「葉隠」の発祥の地があります。


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▲ 場所はこちらです。車じゃないとちょっと行くのが難しい場所です。


▲ 近くに無料の駐車場があります。


▲ 駐車場からはこんな感じの小道を歩いて行く必要があります。


▲ しばらく歩くと「葉隠発祥の地」と書かれた石柱が見えてきます。


▲ そこからこの階段をのぼると・・・


▲ ありました!葉隠発祥の地を示す「常朝先生垂訓碑」です。


▲ この「常朝先生」が葉隠を口述した山本常朝のことです。


▲ 案内板にはこう書かれていました。

現在、この地には、葉隠の口述者山本常朝が隠棲した朝陽軒(のち宗寿庵)等の遺構は残っていない。元禄13年(1700)山本常朝は、佐賀藩2代藩主鍋島光茂死去のため落髪出家してこの朝陽軒に隠棲した。10年を経て同藩士田代陣基(つらもと)が自己修養のため、ここを訪れ教えを請い、のちの大小隈と合せて7年にわたり、その教訓を中心に筆録したのが「葉隠」11巻である。


▲ この場所に住んでいた山本常朝が語ったことに感銘を受けた田代陣基がその言葉を記録したのが「葉隠」です。

葉隠では「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という一文が有名です。

「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という部分だけを抜き出して、「武士は無条件で命を捨てるべきだ」とか「命を落としてこそ一人前」のような考えだと思われがちですが、実は続きを読むとそのことが本来の意味ではないことがわかります。

「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」の後にはこう続きます。

二つ二つの場にて、早く死方に片付ばかり也。別に子細なし。胸すわって進む也、図に当らず、犬死などいふ事は、上方風の打ち上りたる武道なるべし。二つ二つの場にて、図に当るやうにする事は及ばざる事なり。我人、生る方がすき也。多分すきの方に理が付べし。もし図に外れて、生たらば、腰ぬけ也。此境危き也。図に外れて死にたらば、気遣いにて恥にはならず。是が武道の丈夫也。毎朝毎夕、改めては死々、常住死身に成て居る時は、武道に自由を得、一生落度なく家職を仕課すべき也。

太字の部分が重要です。つまりどういうことかというと、

毎朝、毎晩、いつでも死ぬ覚悟ができていたら、一生 職務を全うできる

と、生きることを前提として話が書かれています。「死んだほうがいい」ではなく「いつも死ぬつもりでいたほうがいい」と解釈した方が正しいかと思います。

そういえば、スティーブ・ジョブズもスピーチでこれに非常に似たことを言っていました。


▲ スタンフォード大学の卒業式で卒業生に贈った言葉の中の一節。

私は毎朝、鏡の中の自分に問いかけています。「今日で死ぬとしたら、今日は本当にすべきことをするか?」と。その答えが何日も「NO」のままなら、何かを変える必要があると気付きます。

「すぐに死ぬ」と覚悟することは、人生で大きな決断をする時に大きな自信となります。なぜなら、ほとんど全てのものは、周囲からの期待、プライド、失敗や恥をかくことへの恐怖などで、そういったものは死に直面すると消え去るからです。そこに残るのは、本当に必要なものだけです。死を覚悟して生きていれば、「何かを失うこと」という心配をせずに済みます。あなたは初めから裸なのです。素直に自分の心に従えば良いのです。(書き起こし.com スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチ より引用)

これってまさに葉隠で言っていたことと同じではないでしょうか。

スティーブ・ジョブズは日本好きだったと聞きますが、もしかしたら無意識に武士道精神が宿っていたのかもしれませんね。ちょっと強引かな??でもホント葉隠の内容と似てますね。

【参考文献】
さて…武士道とは死ぬことと見つけたり…とは

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【こぼればなし】

葉隠の内容は「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」的な熱い内容がずっと続くかと思いきや、実は「嫌な上司からの酒の誘いを丁寧に断る方法や、部下の失敗を上手くフォローする方法、人前であくびをしないようにする方法等、現代でいうビジネスマナーの指南書や礼法マニュアルに近い記述がほとんど(Wikipedia葉隠より)」で、実用書的な内容なんですよ。

Y氏(山田全自動)
ふるほん住吉店主:Y氏(山田全自動)
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福岡で古本屋「ふるほん住吉」の店主をしつつ、ブロガー/イラストレーター/執筆業などをしながら自由気ままに暮らしています。著書:福岡路上遺産(海鳥社)、福岡穴場観光(書肆侃侃房)、山田全自動でござる(BOOKぴあ)など
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