一人の女性のはにわに対する情熱が作り出したはにわの楽園
一人の女性のはにわに対する情熱が作り出したはにわの楽園があった!
▲ 宮崎県宮崎市にある平和台公園。
[map addr=”宮崎県宮崎市下北方町越ヶ迫6146”]
▲ 場所はこちら。宮崎県宮崎市下北方町越ヶ迫6146
▲ ここには巨大な「平和の塔」があることで知られています。
この塔は紀元二千六百年(初代天皇である神武天皇が即位してから2600年)を記念して昭和15(1940)年に造られたもので、高さは36.4mもあります。
神武天皇が東征以前に宮を営んだ地(つまり、ずっと昔の皇居)がこの近辺であったことからここに塔が造られたのだそうです。
塔に刻まれている「八紘一宇」の文字は秩父宮雍仁親王の揮毫によるもので「道義的に天下を一つの家のようにする(Wikipedia「八紘一宇」より引用)」という意味だそうです。
▲ 塔やその周辺に使われている石材はいろんな種類のものがごちゃまぜになっていますが、これは戦時中に各国から運んできた石が使われているからなのだとか。
意図してそのように設計されたのかはわかりませんが、塔の正面に立って手をたたくと塔に反響して不思議な音がなるしかけもあります。
▲ 中央には重々しい扉がありますが、この内部には神武天皇の姿が彫られていたり、秩父宮雍仁親王が「八紘一宇」の文字を揮毫した筆が安置されていたりするそうです。
▲ この塔を設計したのは彫刻家の日名子実三で日本サッカー協会のシンボルマークをデザインした人としても知られています。
それにしてもスゴイ迫力ですね・・・。
▲ そんな歴史ある平和台公園ですが、もう一つスゴイものあります。
それが「はにわ園」です。
なんだか途端にB級スポット感が出てきたな・・・と思われたかもしれませんが、これがかなり良い感じなんです。
▲ 平和の塔の横の階段を降りて行くと・・・
▲ いた!はにわだ!
▲ あっちにもこっちにも大量のはにわ!
▲ ひとつひとつのクオリティが高く、かなり見ごたえあります。
▲ さまざまなポーズ、
▲ そして、さまざまな表情のはにわたちが出迎えてくれます。
▲ はにわ園の中には はにわ館という資料館がありましたが残念なことにこの日は休館日・・・。
▲ でも敷地内には大量のはにわがありますので全然OK!
▲ このはにわたち、どこかの造園会社もしくは石材店で作られたものに思えますが、なんと本部マサ(ほんぶまさ)さんという一人の女性の手によって作られたのだそうです。
本部さんは明治40(1907)年生まれ、平成3(1991)年没。
生涯をはにわ作りに捧げた人です。
本部さんの父が古墳の発掘調査に協力したことから、まだ幼かった本部さんも古墳や出土品に興味を持ち、女学生時代には出土品の収集だけでは飽きたらず自らはにわ作ってを再現してしまうまでになっていたそうです。
ついには学校も辞めて本格的にはにわ作りに励み、はにわ製作所を設立するまでになりました。
▲ 本部さんのはにわのクオリティの高さに感銘を受けた人々の支援により昭和38(1963)年には本部さんの作品約400点を展示するはにわ園が作られました。
▲ はにわたちは良い具合に自然に溶け込み、あたかも古代からこの場所に存在していたかのような雰囲気をかもし出しています。
▲ 訪問した日はあいにくの雨だったのですが、逆に幻想的な感じが出ていました。
▲ それにしてもひとつひとつのクオリティが高くて驚きます。
▲ 文豪の川端康成も本部さんのはにわに興味を示してはにわ製作所を訪ねているのだそうです。
▲ このあたりは古墳がたくさんある場所だそうで、もしかしたら古代には実際にこんな風にはにわが設置されていたのかもしませんね。
▲ はにわ園は奥に行くほどちょっとした森の中になりますが、良い具合に味が出ています。
▲ まるでこうなることを計算して作られたかのようでした。
▲ 一人の女性のはにわに対する情熱が素晴らしいはにわの楽園を生み出したわけですね。
ちなみに宮崎には駅や空港など、いろいろな場所にはにわが設置されていますが、これらのほとんどが本部さんの作品なのだそうです。知らなかった・・・!本部さんスゴすぎるよ!
▲ はにわ園の近くにはお土産物屋とレストランスペースがありました。
▲ ここには はにわの人形などのお土産物が売られています。
▲ 実はこのはにわ、本部さんが立ち上げた本部はにわ製作所で作られたものなんです。
今でも本部さんのはにわ愛はこうやって受け継がれているんですね。
▲ 小さいながらも完成度が高く、おみやげ物として最適です。
これがあれば自宅の庭にはにわ園を再現できそうですね!
▲ はにわ園、とても楽しいスポットですのでみなさんも是非行ってみてくださいね。
【参考サイト】
・みやざきの百一人 本部マサ