【サンプルあり】イラストや漫画を描くためのペンを実際にいろいろ使って比較してみた
イラストや漫画を描くためのペンを実際にいろいろ使って比較してみました。
< もくじ >
漫画家やイラストレーターが使っているペン
まず、漫画家の人やイラストレーターの人がどんなペンを使っているか調べてみた結果、以下の様な感じでした。
手塚治虫:Gペンなどのつけペン(「手塚治虫創作秘話」で確認)
さいとうたかを:マジック(!)(NHK「探検バクモン:ゴルゴ13の秘密基地に潜入せよ!」で確認)
井上雅彦:Gペンなどのつけペン(NHK「トップランナー」で確認)→※後日、別の番組(プロフェッショナル 仕事の流儀 「闘いの螺旋(らせん)、いまだ終わらず~漫画家・井上雄彦」)を見たらバガボンドは筆で描いていたようです。
浦沢直樹:丸ペンのみ(プロフェッショナル 仕事の流儀 「心のままに、荒野を行け~漫画家・浦沢直樹」で確認)・・・デビュー当時から同じペン軸を使い続けているそうです。
リリー・フランキー:三菱のなまえペン(ラジオ「みうらじゅんのサブカルジェッター」で確認)
さいとうたかをさん がゴルゴ13をマジックで描いていたのは衝撃的でした。(※背景やその他の人物などはアシスタントがGペンなどで描いているようです)
リリー・フランキーさん は「確実に なまえペンを日本で一番使っている」と言っていました。1000本ぐらいまとめ買いしているそうです。
こうやって見てみると、それぞれバラバラで結局自分に合うものを探すしかないと思いましたので、いろいろと比較してみました。
Gペン
▲ インクをつけながら使うペンです。
おそらくアナログで絵を描いている漫画家の方が最も多く使っているペンだと思います。
線の太さや、「入り」「抜き」が表現でき、最も表現の幅が広いです。
慣れが必要ですが、使えるようになると本格的かつ個性的な絵柄を生み出すことができます。
▲ 一本のペンでこれだけ幅の違う線が引けます。
▲ こちらはGペンを使って描いた漫画の例。
Gペン まとめ
メリット:かなり強弱をつけることができるのでいろんなバリエーションの表現できます。滑りも良いので慣れれば描きやすいです。
デメリット:インクをつけながらの作業になりますので結構面倒です。描き慣れるまでに少し時間がかかると思います。乾くのに時間がかかります。
丸ペン
▲ こちらもインクをつけながら使うペンです。一般的にGペンなどと組み合わせて使います。
あらゆるペンの中で最も細かい部分の表現ができます。そのため、細かい表現が必要となる瞳は丸ペンで描くという人も多いです。
▲ Gペンほどではありませんが、一本のペンで太さを大きく変化させることができます。
丸ペン まとめ
メリット:強弱をつけることができるのでいろんなバリエーションの表現できます。細かい部分まで描き込むことができます。
デメリット:インクをつけながらの作業になりますので結構面倒です。描き慣れるまでに少し時間がかかると思います。乾くのに時間がかかります。
コピック・マルチライナー(ミリペン)
▲ 画材店などではよく見るコピックの「マルチライナー」です。このタイプはミリペンとよばれています。
一本200円ぐらいで手軽です。太さも 1.0 から 0.03 まで幅広くあります。
乾くのがとても速いのでありがたいです。
▲ こちらは「1.0」一本で描いたもの。
▲ 「0.03」一本で描いたもの。
▲ 「1.0」と「0.03」の二本で描いたもの。
これは極端に太さを変えていますが、やはり線に強弱がつけれないので描き方によってはいかにもコピックだなという感じがしてしまいます。
▲ 消しゴムをかけると色がこんな感じで薄くなってしまいます。左が消しゴム前、右が消しゴム後です。
▲ こちらはコピックを使って描いた漫画の例。5本ぐらいの太さの違うコピックを使い分けています。こういう風な線の「入り」「抜き」の少ない絵柄にはとても向いていると思います。
コピック・マルチライナー まとめ
メリット:安くて手軽。持ち運びや保管にも便利。かすれにくい。乾くがもとても早い。
デメリット:消しゴムでこすると薄くなります(下書きの線を消すときなど)。線の強弱はつけにくいですので太さの違うペンを変えながら描く必要があります。太いペンは若干滑りが悪い気がします。
Marvy Uchida for Drawing(ミリペン)
▲ Marvy Uchida for Drawingはコピックの「マルチライナー」と同じような感じのミリペンです。
コピックよりもペン先が固くシャキッとした描き心地です。
感じ方には人によるかとは思いますが、す〜っと滑らかに描くことができる気がします。
個人的にはミリペンの中では一番使いやすいと思っています。
▲ こちらは「0.8」一本で描いたもの。
▲ こちらは「0.03」一本で描いたもの。かなり細かい部分まで描き込めます。
▲ 「0.8」と「0.03」を二本使って描いたもの。線の「入り」「抜き」が無いのでミリペン使ってるなというのは分かってしまいますが、コピックよりは自然な気がします。
▲ 消しゴムをかけると色がこんな感じで薄くなってしまいます。左が消しゴム前、右が消しゴム後です。
▲ こちらはMarvy Uchida for Drawingを使って描いた漫画の例。5本ぐらいの太さの違うものを使い分けています。
Marvy Uchida for Drawing まとめ
メリット:安くて手軽。持ち運びや保管にも便利。かすれにくい。コピックの「マルチライナー」より滑りが良い気がします。
デメリット:消しゴムでこすると薄くなります(下書きの線を消すときなど)。線の強弱はつけにくいですので太さの違うペンを変えながら描く必要があります。ペン先が結構固いですが、このへんは好みかと思います。
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ピグマ(ミリペン)
▲ ピグマはクレヨンやクーピーで有名な「サクラクレパス」が出しているミリペンです。
上で紹介したコピックマルチライナーとMarvy Uchida for Drawingの中間ぐらいの硬さのペン先です。
描き心地も良いですし、インクの色も他のものより濃いです。
▲ こちらは「05」一本で描いたもの。
▲ こちらは「01」一本で描いたもの。
▲ 消しゴムをかけると色がこんな感じで薄くなってしまいます。左が消しゴム前、右が消しゴム後です。
ピグマ まとめ
メリット:安くて手軽。持ち運びや保管にも便利。中間ぐらいのペン先の硬さ。インクの色が濃い。
デメリット:消しゴムでこすると薄くなります(下書きの線を消すときなど)。線の強弱はつけにくいですので太さの違うペンを変えながら描く必要があります。
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タチカワ School G
▲ 万年筆のようなタイプのペンです。
つけペン風の線が描けるペンです。
「G」と名前がついていますのでGペン風の線は出せますが、実際のGペンほどの強弱は付けれませんのでご注意を。
400円ぐらいで少し高めです。
▲ 描き心地はけっこうクセがあります。慣れるには練習が必要です。ご覧の通り、線がブレブレになってしまいました。
太い線を表現するには筆圧を強くして描かなければいけませんので疲れやすいです。
インクが乾きにくいのでこちらのイラストのように汚れてしまうことがあります。
ただ、インクビンを準備せずに つけペン風の線がお手軽に描くことができるのは非常に魅力的です。慣れたらかなり重宝する一本かと思います。
タチカワ School G まとめ
メリット:手軽につけペン風の線が表現できます。持ち運びや保管にも便利。
デメリット:慣れが必要。固めの描き味ですが、このへんは好みかと思います。インクが乾きにくいです。
ハイテックC HI-TEC-C (ゲルインキボールペン)
▲ 1994年に発売された激細ボールペンです。一番細いものだと0.25mmがあります。ボールペンとは思えないほどの細い線を描くことができるのが特徴です。
使い慣れた普通のペンと同じ要領で描けるのが大きな魅力です。
ただし、耐水性はありませんので色を塗ったりする場合は使用できません。
また、印刷には向かないという情報もありますので、本格的にプロを目指す人や絵を印刷する予定の人にはおすすめできません。
HI-TEC-C まとめ
メリット:いつものボールペン感覚で描ける。ボールペンでありながら細かい描き込みが可能。
デメリット:耐水性ではなく、印刷には向かないので本格的な使用は難しい。
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ZEBRA マッキー
▲ さいとうたかをさん がマジックで描いていたので試してみましたが、なかなか難しいです。
リリー・フランキーさん もなまえペンで描いているそうなので、これに近いと思います。
僕にはマジックで描くのはちょっと難しかったです。
ZEBRA マッキー まとめ
メリット:コンビニにも売っていて手軽。乾きやすい。
デメリット:線がにじむ。細かい部分の表現をするには熟練の技が必要。
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僕はGペンと丸ペンを使っていましたが、最近はMarvy Uchida for Drawing(ミリペン)がいいのかなという気がしています。
しばらくはMarvy Uchida for Drawingで描いてみようかと思います。
しかし、ペンがどうこうと いろいろ考えるよりも、最終的には技術を磨くしかないですよね。
↓ ボールペンでもこんなに描けるわけですし。大友克洋さんの息子らしいです。
す、すごすぎる・・・。
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