【糸島市】江戸時代の人がどんなものを食べていたか体験
江戸時代の人がどんなものを食べていたか気になりませんか?ということで江戸時代の料理を体験してきました!
大手門にある「森田印刷所」
▲ 福岡市中央区大手門。
▲ 大手門の昭和通り沿いに大原松露饅頭福岡本店があります。
▲ そして、松露饅頭から北に少し進むと森田印刷所という印刷会社があります。
▲ 現在は印刷業を営まれていますが、江戸時代、森田家は「萬屋(よろずや)」という福岡藩の御用商人で、旅行運送業を営んでいたのだそうです。
参勤交代って・・・?
▲ ところで皆さん、ちょっと話はそれますが、参勤交代ってどんなイメージを持っていますか??
殿様を駕籠(かご)に載せて武士の一団が「下〜に〜下に」なんて言いながら江戸を目指して練り歩くという、武士のイベントというイメージがあると思います。
でも実際は参勤交代の大名行列にはかなりの数の武士以外の人がいたのだそうです。
というよりむしろ武士よりも武士以外の人のほうが多かったそう。
紀州徳川家の参勤交代では武士1639人に対してそれ以外が2337人で、武士の1.5倍もいたという記録も残っています。
その武士以外の人というのはどういう人達だったのかというと、今でいうフリーランスのような人。
フリーランスというとちょっと響きがよすぎるかもしれませんが、決まった仕事ではなく、力仕事をやったり色んな仕事をしている人を大量に雇って参勤交代に同行させていたのだそうです。
大掛かりな移動になりますから、荷物持ちをしたり雑務をこなしたりする人がたくさん必要だったのでしょうね。
でも、そんなたくさんの人を藩が集めれるかというとなかなか難しい・・・。まさか武士が道行く人たちを勧誘してまわるわけにもいかないですし・・・。
人材派遣もやっていた萬屋
▲ ここで話は戻り、大手門の萬屋。
萬屋では福岡藩の参勤交代に同行するフリーランスを集める人材派遣的な業務も担当していたのだそうです。
参勤交代の前にはここに数百人のフリーランスたちが集められ、長い旅の支度を行ないました。
その際、力をつけるため、また、旅の景気づけのために振る舞われた料理があり、森田家にはその料理が伝わっているのだそうです。
▲ 殿様や武士が食べていた料理なんかは記録が残っていますが、そういった一般の人が食べた料理というのはあまり知られていませんよね。
個人的にも非常に気になっているテーマですが、なかなか情報がなく、いまいちピンときません。
▲ と思っていたところ、その萬屋の料理を再現したものを食べれるイベントが唐津街道の前原宿である、ということで、これはと思い参加してきました。
イベントの概要
▲ イベントを企画したのは「古材の森」という古民家カフェ&イベントスペースの店長の有田さん。
有田さんは「唐津街道歴史研究所」を運営されている唐津街道を中心とした歴史研究家でもあります。
▲ まずは有田さんによる唐津街道の見どころ案内があり、その後、唐津街道ゆかりの食事を前原宿の旧西原邸で食べるという流れでした。
唐津街道の見どころ
このイベントはあと数回開催されるのでネタバレにならないように、こういうのが紹介されました、というのをいくつか。
▲ イリスロード伊都商店街。とくに何の変哲もない道に見えますが、この道からも前原宿がかつてどのような地形だったかがわかるのだそうです。
▲ 道の先を見ると少し上り坂になっているのがわかりますか??これがかつての地形を紐解くヒントです。
▲ 昔の地図や現在の地図を使いながら解説してもらえますので非常にわかりやすく知ることができます。
▲ 丸田池公園から眺めたこの景色。江戸時代の絵図にも描かれたかつての景勝の地です。いったいどのように描かれていたのでしょうか??
▲ 宿場の両側に築かれていた「構口」とは??
▲ この2つの建物の間に残る神社の参道とは??
▲ 陶器のタヌキの片腕が無い理由とは??
そんな感じの、知っているようで知らない町の話が満載でした。
知りたいという方はぜひ参加してみて下さいね。(※イベントの案内は記事の最後に記載しています)
旧西原邸(古材の森)
▲ イベントの締めくくりは江戸時代の食事。
食事をいただく場所は有田さんが店長をされている、旧西原邸を使ったカフェ&イベントスペース「古材の森」です。
普段は正面向かって右側の入口から入店しますが、今回は特別に表門が開放されていました。
▲ この門は殿様専用のもので、殿様を招く際にはこうやって幕をかけて出迎えたのだそうです。
▲ 殿様気分で入店。
▲ 店内は昔の造りをそのまま活かしたものになっています。
▲ 西原家はロウソクの製造や醸造業、金融業などを行う商家でした。
「綿屋」という屋号で糸島地方屈指の商家として栄え、また、黒田家へ財政面でのサポートも行ったことから大きな力を持ったのだそうです。
現存している屋敷は広大な敷地面積をほこる建物ですが、以前はさらに大きなものだったそうです。
萬屋で出されていた料理
▲ 中に入ってみると、本格的なスタイルで食事の準備が行われていました。
▲ 献立はこのような感じ。
萬屋で参勤交代に随行する人が食べた食事ってとても豪華だったんですね??と質問すると、実際には左下のちらし寿司のようなものだけを食べていたのだそうです。
▲ これが重箱いっぱいに準備され、自分で丼についで食べたのだそうです。(※重箱に詰められた状態のレプリカは筑紫野市歴史博物館にも展示されているそうです)
ご飯の上に乗っているのは鯛そぼろ、錦糸卵、しいたけ、糸こんにゃく、三つ葉、ごぼう。
これからハードな旅に出るので、消化がよく、食べやすいように細かく刻まれています。
何百人もの参勤交代に随行する人の食事を大量に作られるので、出された頃には当然ご飯は冷めています。
それを暖かくするためにダシ汁をかけて食べたそうです。
実際にそうして食べてみたのですが、最高に美味しいです!
今回出されたものは現代人にも美味しいようにアレンジされていますが、お米をたくさん食べるために作られたものなので当時の味付けはもっと濃かったかもしれないとのことでした。
江戸時代の人ってこういうものを食べていたんですね〜。とても面白いです。
▲ こちらは江戸時代の洋画家で蘭学者の司馬江漢が唐津街道の畦町宿(現在の福津市畦町)で食べたという「卵ふわふわ」。これまた美味しすぎます。
▲ 食後にはコーヒーが出されましたがコーヒーも司馬江漢にゆかりがあります。
司馬江漢は長崎に遊学した際にコーヒーを体験してかなり気に入ったようで、江戸に戻ってから和蘭陀茶臼(コーヒーミル=コーヒー豆を挽く道具)を自作しているそうです。
江戸時代にもコーヒーをたしなむ日本人がいたとは!
まとめ
▲ 江戸時代の食事の再現、いろいろと大変興味深かったです。
本で見る情報だけだといまいちピンときませんが、こうやって実際に食べてみると実感がわきますね。
唐津街道前原宿と街道御膳体験ウォーキングツアーは2017年4月8日(土)・4月22日(土)・5月6日(土)・5月20日(土)・6月3日(土)・6月17日(土)にも開催されるそうです。
興味のある方はぜひ参加してみて下さいね。
ただ、けっこう人気だそうですのでキャンセル待ちになることもあるそうです。
詳しくは古材の森、もしくは糸島市観光協会に問い合わせてみてくださいね。
【唐津街道前原宿と街道御膳体験ウォーキングツアー】
※お申し込みは、直接糸島市観光協会にお電話ください
TEL092-322-2098
①氏名 ②住所 ③年齢 ④電話番号をお伝えください。
前日までの要予約
江戸時代、唐津藩主や福岡藩主が参勤交代で毎年通行した唐津街道。そして、宿場町として栄えた前原宿を歴史研究者と共に巡るツアーです。ツアーの最後は、唐津街道に古くから伝わる料理を取り入れ再現した「唐津街道御膳」を美しい漆塗りの器で食べていただき、江戸時代の旅人気分を味わってもらいます!
唐津街道御膳は、江戸時代の記録をもとに、旅人が旅籠に宿泊した時の料理や、福岡藩主が参勤交代で出発する日の朝に人足たちが食べていたと伝わる料理など地元糸島の食材を使用して作成しました。ツアー締めくくりの古材の森では、普段は公開していない表門から大名行列の作法で入っていただき、旅籠の雰囲気を持つ二階座敷で街道御膳を召し上がっていただきます
開催日 2017年
4月8日(土)・4月22日(土)・5月6日(土)
5月20日(土)・6月3日(土)・6月17日(土)
料 金 : お1人様 3,500円(税込) (ガイド・唐津街道御膳・マップを含む)
集合時間:午前10時集合・出発(少雨決行)
集合場所:糸島市観光協会(筑前前原駅北口ロータリー内)
所要時間:10:00~12:00(その後、古材の森にて食事)
定 員:10名程度(先着順・定員になり次第締め切り)
解散場所:古材の森 (福岡県糸島市前原中央3-18-15)
【古材の森】
ホームページ:http://www.kozainomori.net/
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【森田印刷所 旧萬屋】
ホームページ:https://www.moritaprint.com/