【天神】古地図で見る西鉄グランドホテル前のS字カーブ
西鉄グランドホテル前にはなぜこんな風になっているの?というS字カーブがあります。
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▲ 場所はこちら。西鉄グランドホテルとカトリック大名町教会の間にあるカーブです。
▲ 車で通ると変なカーブで運転しにくいと感じてしまいます。
▲ このカーブがある場所を江戸時代の古地図で見てみると、この時代からすでに同じような形になっていることが分かります。(※古地図は「古地図の中の福岡・博多―1800年頃の町並み(宮崎克則・福岡アーカイブ研究会 /海鳥社)」より)
実はこれ、福岡城の防衛のために作られたものです。
▲ 道筋が直角になっていると、攻めてきた敵は先が見通せません。ですので、道が曲がった先で待ち構え、敵が角に侵入してきたところを攻撃することができます。そのためにあえて道筋を直角にしているのです。お城の防衛のために工夫して作られた道だったのですね。
▲ 昔はここに路面電車が通っていて、急なカーブで曲がりきれず頻繁に脱線していたという逸話も残されています。
▲ ではなぜ道をまっすぐに作りなおさなかったのかというとカトリック大名町教会が関係していると言われています。
天神~大名のS字カーブのページにはこう書かれていました。
明治43年の市内電車(路面電車)開通の際、「このカーブは運転上差し支えがあり、電車を直進させたいので天主堂の立ち退きを」と電車会社が教会側に交渉しましたが、話がつきません。
そこで教会側が、当時の大政治家でクリスチャンだった原敬(洗礼名=ダビデ・ハラ、後の総理大臣)に相談。鶴の一声によって電車会社側が折れ、S字カーブはそのまま残されました。
この話が実話かどうかは不明ですが、ちょっと面白い話ですね。
その他にも大名周辺にはたくさんの不思議な曲がり角があります。 → 天神付近の不思議な曲がり角がなぜそうなっているのかを古地図から探る
【参考サイト】
・天神~大名のS字カーブ
海鳥社
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