大正通りの地下にこんなものがあったとは!「中部2号幹線(2)」を見に行ってきた!

大正通りの地下にこんなものがあったとは全然知らなかったです・・・・!
▲ 長浜にある鮮魚市場市場会館。

▲ その横にこんな建物があることをご存知でしょうか??「何なのこれ?」と思っていた人も多いのではないでしょうか?

▲ 実はこの施設、天神周辺の浸水被害を低減させる地下水路の入口なのだそうです。

▲ 以前に「天神・今泉周辺が冠水した理由を古地図から考える」の記事で紹介しましたが、かつて川や堀だったところを暗渠化せずに埋めたてているためにこういった浸水被害が発生しているようです。

▲ 福岡市が発表している浸水想定区域図を見てみると、見事なほどにかつての川や堀の部分が濃い色になっています。

▲ 福岡市ではこれらの被害を少なくするために地下に水路を建設しているのだそうです。
市内のいろいろな場所に水の入口があるそうで、例えば今泉公園の場所には「今泉公園流入抗」というものがあり、そこから地下に水が流されています。

▲ その地下水路への入口がここにあるのだとか。
で、なんと!この度、その地下水路の工事の様子を見学させてもらえることになりました!

▲ 今回案内してもらうのは所長の松本さんと、

▲ そして福岡市道路下水道局の小幡さん。

▲ さっそくヘルメットもかぶって準備万端!
右にいらっしゃるのは今回見学の機会を作って頂いた江口さん。

「今日は宜しくお願いします!」

「宜しくお願いします」

「宜しくお願いします」

▲ まずはこの工事の概要をつかむために動画を閲覧。
この動画はYouTubeにもアップされていますのでこちらを見ていただくとおおよその内容がわかります。※この動画を見ておくとこの記事をより楽しめるかと思います。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
中部2号雨水幹線(2)築造工事
https://youtu.be/t-BMtyfWpDI

▲ そして次にお二人から補足説明をしていただきました。

「地下水路を掘るのはどういう機械で行われているんですか??」

「今回見学していただく『中部2号幹線(2)』についてはシールド工法という工法で掘り進められています」


「↑シールド工法はこういった機械を使っているのですが、この青い面板の部分が回って、さらに黄色い爪の部分のローラーもそろばんの玉のように回って削っていくんです」

「へぇ〜、それで掘れるんですね!てっきりもっと尖ったドリル的なものを想像していました」

「ドリルは使いませんが岩盤の状況をみながら爪を変えたりしています」

「え?でも青い部分っていうのは岩盤にピッタリ接しながら掘り進んでいるんですよね??そんな状況で爪の交換ってできるものなんですか?
」

「交換はできます。青い部分が空間になっていてここに土を溜めて後ろのコンベアから排出して進んでいくのですが、交換の時には土が貯まる空間を一旦空にして、そこに人が入って手作業で爪の部分を交換しています」

「なるほど、青い部分に空洞があって、後ろから爪を交換するんですね!」


「これは土を削るための爪です。別の現場で使用されていた実物ですよ。なのでだいぶすり減っています」

「素材は鉄ですか?」

「素材は超合金です。鉄だとすぐに摩耗してしまうので鉄より硬い超合金でできています」

「超合金!なんだかカッコいいですね!超合金ってことは値段も高いんですか・・・?これ一個で20万円ぐらいしたりして・・・」

「いや、実際にはもっと高いです」

「え?!めちゃくちゃ高いんですね!」

「ローラータイプだと1個で車が買えるぐらいしますよ。既成品ではなくて受注生産なのでどうしても価格はそれぐらいしてしまうんです」


「↑じゃあ・・・ちなみにこの機械は全体でいくらぐらいするものなんですか・・・?」

「この機械にはいろんな付属する装置があったり、リース品の部位もあるのですが、それも含めるとだいたい4〜5億円ぐらいです」

「4〜5億円か〜!なんだかスゴすぎてイマイチピンときませんね笑 でもそのおかげで水の災害が軽減されて安全に暮らせるわけですね」


「そういえば基本的な質問なんですが、雨水はどこかの穴から地下に流れてくるんですか?その穴ってどこにあるんですかね?」

「穴と言うより側溝の水が流れてくるようなイメージです」

「側溝というと道路の脇の溝ですか?」

「そうです、溝です」

「なるほど、どこかに大きな穴が開いていて、そこからザザ〜っと水を入れるわけではなくて溝に流れたものが最終的に地下に集まってくるようなイメージなんですね」

▲ ひと通り解説をしていただいたあと、実際の現場へ!

「中はこんな風になってたんだ〜!まさか自分がここに入ることになるとは思わなかったな〜」


「↑あれは何をしてるんですか?」

「あれは掘り出した土をショベルカーでダンプに積み込んでいるところです」


「↑このコンクリートの板は何ですか??」

「これはセグメントと言われる壁です。掘った穴の壁にこのセグメントを設置してトンネル内に土や水が入ってこないようにしています」

「丸く曲線になっているのはなぜなんですか?」

「これを六枚組み合わせると円になるんです。これを横にず〜〜っと並べて筒状の地下水路が作られているんですよ」

「でも、そもそもどうして円にするんですか??素人考えだと四角にしてしまったほうが工事しやすいような気がするんですが・・・・」

「トンネルにはすごい圧力がかかっているんです。四角よりも円のほうが圧力が分散されて強度が強くなるんです」

「なるほど、ちゃんといろいろ考えられているんですね!」


「この場所から北に掘り進んで長浜鮮魚市場前で大正通り方向にカーブし、今現在、だいたい少年科学文化会館前あたりまで到達しています」

「そうなんですね・・・まさかあの辺りの地下でそんな工事が行われているとは知りませんでしたよ・・・」

▲ そしていよいよ立坑へ!深さ30メートルほどの穴が真下に伸びています。高所恐怖症の人は気絶しそうな眺めです。わたくしも軽く足が震えました。
30メートル下から横に穴が伸びているのだそうです。

「ここから下に行くにはどうしたらいいんですか?」

「エレベーターを使って降りていきます」

▲ と言ってエレベーターへ案内してもらいました。

▲ 工事現場の無機質なエレベーターはなかなかスリリングでした。壁が網になっているので外が見えてけっこう怖い!

▲ 下に到着し、上を見上げてみると異世界感がすごかったです。


「この黄色いやつは何ですか?」

「これは掘り出した土を運びだしたり壁になるセグメントを運搬したりするトロッコです」


「これが掘り出された土ですね?この土がトラックに載せられていたんですね。トラックで運びだされたものは最終的にはどこに持って行かれるんですか?」

「この土は普通の土とは違って岩盤を溶かす薬剤や、逆に砂などを固める薬剤が入っていますので産業廃棄物になります。なので埋め立ての土として使ったりということはされず、作業廃棄物として処理した後、何か別のものにリサイクルされたりしています」


「では今から坑内を歩いて行きますね」

「ひたすらまっすぐな道・・・。先が見えなくて軽く不安になりますね・・・・」


「そのうち慣れますよ!地上で言うとどのあたりにいるか分かる写真も貼ってありますから」

「あ、これがあると不思議と少し安心しますね!ちなみに工事の音って地上に聞こえたりしないんですか?」

「ここは地上から約30メートルの深さにある場所ですので上にはまったくと言っていい程 聞こえません」

「なるほど、そりゃ大正通りの地下にこんなスゴイものが掘られているなんて気づかないはずですよね・・・」


「照明もちゃんとあって明るいんですね!気温もちょうどいいですし」

「そうですね、夏は涼しく冬は暖かいです。地下ってけっこう快適なんですよ」

「それは意外ですね!なんというか、もっとカイジ的なものを想像していましたよ」


「そういえば酸素とかは大丈夫なんですか?」

「酸素は上にあるチューブから供給されています」


「↑あ!これですか!ビニールみたいな素材ですけど大丈夫なんですか!?」

「しっかりした強度のもので作られているので大丈夫ですよ」

▲ ただただひたすらまっすぐな道をず〜〜〜っと進んでいきます。距離感がまったくつかめずあんまり歩いている実感がなくなっていきます・・・。

▲ 途中に「坑口から200m」の案内が。ここには消火器などが設置されていました。

▲ こういうポイントの部分は照明が緑色になっていて、遠くからでもどこに設置場所があるか分かるように工夫されていました。


「↑あ!道がカーブしてきましたね!」

「はい、このカーブを曲がると大正通りに入ります」

「ということはこの上をバンバン車が通っているわけですね!地上にいる人たちはまさか自分の足元に人がいるなんて思っていないでしょうね!」

▲ 今通ってきた道を振り返ると見えないほど向こうに入口があって「思へばア遠くへエ来たもんだァ〜」と歌いたくなってしまいました。

▲ 時々セグメントを積載したトロッコがゴゴゴゴゴゴゴ〜〜〜と真横を通って迫力満点!トロッコ好きの人に自慢しよう。

▲ そしてようやく現在掘り進んでいる最先端の部分までやってきました!

「もっとたくさんの人が作業しているのかと思いましたけど意外と誰もいないんですね」

「そうですね、実際にこの場所にいるのは数名です」

「その人たちは何をしているんですか?」

「この場所は土の中にいるように思えて、実際には水をたくさん含んだ土の中にいますのでほとんど地下水の中にいるようなものなんです。なのでこの場所にも水圧がかなりかかっているんです。その中を普通に掘っていくと上の地盤が沈下することもあるんですね。それを沈下させないようにするために土を取り込みすぎないように調整したりしています」

「へぇ〜、単純にただ掘り進んでいるだけかと思ったらいろいろ細かく考えながらやっているんですね〜」

「そうですね、土の圧力である「土圧」を確認しながらどれぐらいの薬剤を使うかなど常に人間がいろんな判断をしながら作業していますよ」

「その薬剤はトロッコで運んでくるんですか?岩盤とかに使うわけですからとんでもない量ですよね??」


「薬剤は壁面にあるパイプを伝わってここまで供給されていますよ」


「おぉ!そういえば気づかないです!壁に沿ってず〜〜っとパイプが伸びていますね!これの中を薬剤が流れているんですね」


「岩や土が削られている部分は見えないんですか?」

「はい、先の部分は泥が入る空間になっていますので見ることはできません」

「泥とか全然飛び散ったりしてないんですね。もっと土やホコリにまみれているのかと思っていましたよ」

「シールドマシンの先端の部分は作業中は密閉されていますので坑内に粉塵が入ったり水が入ったりすることはないんです」

「意外とキレイな作業現場なんですね!」


「人がやる作業としては壁を作ることぐらいですか?」

「壁もシールドマシンが組み立てながら進んでいますよ」

「え?じゃあ自分で掘って自分で壁を組み立てて進んでいってるんですか?」

「そうです、基本的にはシールドマシンがすべてやっています」

「シールドマシン万能ですね!」


「ところで地下に流れてきた水っていうのは最終的にはどこかに排出されるんですか?」

「最終的には海に排出されます。那の津ポンプ場という施設が那の津の工場地帯のところに建設中ですのでそれが完成したら海までの水の流れが完成します」

「なるほど、今はその陸から海までの中継地点を作っているところなんですね」

▲ ひとしきり見学を終えたあと、帰りの道がまた長かった・・・。無機質な道というのはどうも感覚がわからなくなるものですね。

▲ ようやくもとの場所にたどり着いて一安心。地上が見える(といっても屋根しか見えませんが)安心感が素晴らしい。

▲ いや〜、まさかこれだけスゴイ工事が行われていたとは全く知りませんでした。

▲ 今回見学した「中部2号幹線(2)」部分は残り半月ほどで完成する予定だそうです。
これから何十年、何百年と福岡市の安全を支え続けてくれる大切なインフラになることでしょうね。


