創刊間もない昭和30年代の「サンデー」と「マガジン」がフリーダムすぎる
古本屋で昭和30年代の週刊少年サンデーと週刊少年マガジンを買ってみましたが内容がフリーダムすぎました。
今のように色々と自主規制される時代ではなかったのでしょう。
今では絶対載せられないような内容も普通に載っているのが興味深いです。
▲ まずは週刊少年サンデーから。
昭和35年(1960年)8月28日号です。昭和34年(1959年)4月5日号が創刊ですので創刊 間もないものです。
今のものよりだいぶ薄いですね。大きさは今のものと同じですが厚さは4分の1程度でしょうか。
今のようにマンガやグラビアアイドルの表紙ではなく、子供の写真が掲載されています。
▲ 懸賞の番号が書かれています。
▲ 裏表紙の広告。
▲ 「任天堂骨牌株式会社」(にんてんどうこっぱいかぶしきがいしゃ)と書かれています。
「骨牌」とはかるたや花札の事だそうです。
元々任天堂は花札の製造で設立された会社だったため、この頃はまだ任天堂骨牌と名乗っていたようです。
また、Wikipediaの任天堂のページを見てみると、この時期はディズニーと提携して色々な商品を出していたようですね。
▲ 価格は40円です。
▲ 中を見てみます。やっぱりこの頃は野球がコンテンツとして充実しています。
▲ 野村監督が若い!
▲ 手塚治虫の連載があります。
▲ 読み物半分、マンガ半分の「子供向け情報誌」といった感じです。一昔前の「小学〇年生」とかに近いでしょうか。
▲ ただ、掲載されている内容が渋いものもちらほら。「頭が痛い公務員の給料」「小児マヒ来年は安心」など今では子供向け雑誌には掲載しないようなものが結構あります。
▲ 悩み相談も「米ビツの中に虫がいて困ります。どうして防ぎますか?」など今の子供が悩まないような内容のものも。
▲ 懸賞の当選者の住所が普通に載っています。
▲ 2ヶ月間の天気予報が掲載されています。
▲ 少女サンデーというものがあったんですね。
http://www.kudan.jp/osusume/shoujo-sunday.html ←こちらのサイトによると少女サンデーは
ごく短期間で終了してしまった雑誌で、詳細がよく分からない雑誌のひとつでもあります。一部推測を含め、とりあえず判明している事項を列挙します。終刊は1962年4月号で、トータルの冊数は11冊だろうと云われております。(中略)実態としては不定期刊に近かったようです(読者からのお便り欄に発売日が分からなくて困るという投書がある)。
とあります。
色々と模索している時期だったのでしょうね。
▲ こういう折込のページもありました。
▲ やはりテレビも重要なコンテンツだったのでしょう。テレビジョンのようなコーナーもあります。
▲ 空中殺人事件。
▲ 「探検実話 私は恐竜に襲われた!!」という読み物が掲載されています。
▲ 実話?!こういった香ばしい内容のものも普通に掲載されていたんですね。。。
▲ しかし動物学者の先生は冷静。「私は、実際にこの怪物を見ていないので、はっきりわからないが、たぶんマレーバクではないかと思う。」
▲ 次はさらに香ばしい「週刊少年マガジン」。
昭和36年(1961年)3月26日号。昭和34年1959年3月17日創刊ですので、こちらも まだまだ できて間もない頃です。
サンデーと同様に子供の写真が表紙です。
▲ やっぱり懸賞が。懸賞が流行っていたのでしょうか。
▲ 「世界なぞの国特集号」と題して特集が組まれていますが、過激な内容+差別的な言葉のため見せられません。。。今では考えられないな。。。
▲ 裏表紙はこんな感じ。
▲ こちらもサンデー同様40円です。
▲ お相撲も人気だったようですね。
▲ そして、やっぱり野球。
サンデーよりは少し漫画の比率が多いようです。
▲ 見開き右下部分にほぼ全てのページで「少年少女新百科事典」として世界の国の豆知識などが書かれています。
▲ 見せられません。
▲ 見せられません。
※カニバリズム的なことが具体的に書かれています。。。
▲ こちらもサンデー同様に渋めの読み物がたくさんあります。銃刀法に関することや日韓関係のことなどが書かれています。
▲ 掲載されているマンガはこんな感じです。
いかがでしたでしょうか?
内容は今では考えられないようなものもありますが、そういったことに対しては おおらかな時代だったんでしょうか。
今はサンデーもマガジンもエンターテイメントとしての漫画雑誌ですが、この当時は貴重な「情報源」としての雑誌だったのだと思います。
今のようにメディアが発達しておらず、選択肢も少なかったでしょうから、それこそボロボロになるまで みんなで読んでいたことでしょう。
実際、お便りコーナーにも「みんなで回し読みをしています」とか「持って行ったら人気者になります」という事がたくさん書かれていました。
現在のように ただ流れていく情報だけでなく、このようにじっくりと吟味して情報に接することも たまには良いかもしれませんね。