【山口】日本にまだこんな温泉街が残っていたとは…山口県長門市のレトロすぎる俵山温泉街
山口県長門市にあるレトロすぎる温泉街「俵山温泉」の旅行記です。アクセス方法、町並み、旅館について解説します。
< もくじ >
俵山温泉へのアクセス方法
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▲ 俵山温泉は山口県の山陰側の山間にあります。住所は「山口県長門市俵山5172」周辺。
公共交通機関でのアクセスはけっこう厳しいです。自家用車やレンタカーで行くことをオススメします。
どうしても公共交通機関で行く場合はJR山陽本線の「小月駅」まで行き、駅前のバス停から俵山方面のサンデンバスに乗ってください。ただし、バスは二時間に一本ほどしかなく、小月駅から俵山温泉までは70分かかります。のんびり行きたい人向けです。
自家用車で行く場合は山道が続きますのでじゅうぶん注意して下さい。温泉街には無料の駐車場があります。宿泊客もそこに駐めることができます。
俵山温泉街の様子
▲ 俵山の入口ではこのような人形が迎えてくれました。
ここから数分進んでいくと・・・
▲ 凄まじくレトロな温泉街に到着します。すごい!
▲ 事前にネットで情報を調べて行っていましたのである程度雰囲気は知っていたのですが、実際に見てみると想像以上にレトロでした。
▲ 山”陽”側ではどこも再開発されている場合が多く、このような町並みはほとんど残っていないように思えますが、山”陰”は再開発を逃れた場所がまだまだ残っていますね。
数年前に訪問した萩市なんかも同じような雰囲気でした。
▲ 川べりのこういう旅館が時代を感じさせます。
▲ もう昭和レトロを通り越して明治レトロぐらいいってそうなものがゴロゴロしています。
▲ 旅館の中をちらっと覗くと風情という言葉が頭に浮かびます。
▲ 日本中どこに行っても何かしら「洋」なものが目に入りますが、これだけ「和」オンリーな場所もなかなか無いのではないかと思います。
▲ こういう景色も、藩政時代からそのまま残っているのでしょうね。
俵山温泉は江戸時代には長州藩直営の湯治場だったそうなので、もしかしたら吉田松陰や高杉晋作なんかもここに来ていたかもしれませんね。
俵山温泉は各旅館がそれぞれに温泉を持っている「内湯」スタイルではなく、公衆浴場に旅館から通う昔ながらの「外湯」が主となっています。
かつて開発技術が発達していかなった時代は旅館単体の力で温泉施設を構築することは難しく、大きな浴場を街全体で使うことが主流だったわけです。
これには限られた温泉資源をみだりに乱開発しないという意味合いもあるのだとか。温泉が枯渇してしまったら温泉街もろとも枯渇してしまいますからね・・・。
古いサスペンスドラマを見ると旅館から浴衣で外湯の温泉に通うシーンがあったりしますが、俵山温泉では今でもその風景が普通に見られるというわけです。
土産物屋
▲ 土産物屋も例外なくレトロでした。
▲ プッシュされている商品は猿関連のものが多いのですが、これは、白猿に化けた薬師如来が俵山温泉を発見したという伝説に由来しているそう。
▲ なかでも、三猿まんじゅうというお菓子が人気のようです。
▲ 3件ある土産物屋それぞれが店内でお菓子を製造していて、作ったものを箱詰めしてダイレクトに店頭で販売する家内制手工業スタイルでした。
飲食店を探すが・・・
▲ 町中をフラフラしていたらだんだん日が暮れてきました。
何処か適当に泊まれるだろうと高をくくっていたので旅館の予約をしていなかったのですが、土産物屋と数件の旅館の灯りを残して暗くなってくるとだんだん不安になってきました・・・。
▲ とりあえず飲食店にでも入って考えようかと思ったのですが、唯一発見できた食堂も営業していそうな雰囲気がない・・・。
▲ 結局、俵山温泉街で営業している飲食店は見つからず、これまた唯一のショップ(酒屋)で飲み物とパンなどを確保することに。
俵山温泉では「食事はなんとかなるだろう」と考えないほうがいいです。
レトロな旅館「山口屋別館」へ
▲ 小一時間ほどウロウロしていると、「山口屋別館」というすぐに泊まれそうな旅館を発見!灯りがありがたいです。
▲ 俵山温泉の旅館は家族経営の「ザ・旅館」なものがほとんど。というか全部の旅館がそうだと思います。
▲ 部屋の雰囲気も侘び寂びが効いてていいなぁ。俗世とはかけ離れた場所に身をおくこともたまには必要ですね。
▲ 冷蔵庫も30年ぐらい使っていそうなレトロ感。
▲ 当然ネット環境もなく、ただただテレビを見て過ごす。
こんなにテレビだけを見て過ごしたのは久しぶりだな・・・。
▲ 旅行先で天気予報を見ると、いつも見慣れた天気図と違って「自分はホントに ここに来てるんだなぁ」なんてことを考えたりします。
▲ 素泊まりだったので当然食事は無く、一応確認してみましたが準備できなそうだったので、先程酒屋でGETしたパンと「どん兵衛」が今夜の食事です。
公衆浴場「白猿の湯」へ
しばらくぼーっとしてから100メートルほど離れた場所にある公衆浴場「白猿の湯」へ行ってみることに。
▲ 住所は「山口県長門市俵山5172」です。俵山温泉街のちょうど中央部分にあります。
白猿の湯は最近新しくできた(リニューアルした?)らしく、やたらとキレイです。
浴室も非常に広く清潔感がありました。レトロな温泉街は好きだけど古すぎるお風呂はちょっと苦手・・・という人も多いのではないかと思いますが、白猿の湯そういう人も満足できる温泉でした。露天もありましたよ。
▲ 激しくレトロな温泉街を歩き回ったので文明の光が妙に眩しいです。
▲ マッサージチェアも充実していて至福のひととき。人も少なく独占状態でゆったりできました。
俵山温泉街を散策
▲ 翌日、再び俵山温泉街を散策してみることに。
湯治以外の人以外がここに来ることは少ないようで、そのため、外部から来たと思われる人は年配の方がほとんどです。
なのでとても静か。それが良いことなのか悪いことなのかは分かりませんが。
▲ 井戸も現役。
▲ 妙に立派なバスのりば。一昔前はもう少し繁盛していたのかなぁなんてことを感じさせました。
▲ 最近見かけなくなった野良犬も走り回っていてちょっとビックリ。
▲ 温泉街の中にはお寺もありました。
▲ 「白猿山薬師寺」とのことですが、俵山温泉を発見した白猿に化けた薬師如来が祀られているということでしょうか?
▲ お寺の門柱は神経痛全治記念として奉納されたもので温泉街ならではです。
俵山温泉はリウマチに効く温泉として知られているそうで、数ヶ月間旅館に滞在しつつ湯治に励む人も多いのだとか。
▲ なるほど、旅行で来るにはもう少し娯楽施設が欲しいと思えますが、長期の湯治であったら俵山温泉ように夜の店もギャンブルもないピュアな落ち着いた町のほうがかえって好都合ということなのでしょうね。
▲ それにしてもどこを見ても風情がありますね〜。
まとめ
▲ この町並みを活かしてもっと人を呼び込めないものかとおせっかいな事を考えてしまいますが、ここはこのままだからこそ魅力があるのでしょうね。
▲ 僕も将来的にリウマチになったりしたら俵山温泉で湯治をチャレンジしてみよう。
▲ 最後に俵山温泉街の横にある熊野山公園からの眺め。こうやって見ると山間にある秘境温泉だということがよく分かりますね。
俵山温泉、つげ義春的な非日常を味わえる町でした。100年後も同じ姿で存在していそうな温泉街でした。
宿泊した旅館:→山口屋別館
俵山温泉ホームページ:http://tawarayamaonsen.com/
Q & A
- 飲食店はある?
- 公衆浴場の「白猿の湯」の中にレストランがありますが、その他には気軽に行ける感じの飲食店はほぼありません。食事を考えている人は旅館などで予め予約しておくことをオススメします。コンビニもなく、夜は本当にどこも開いていないので俵山温泉では「なんとかなるだろう」と考えないほうがいいです・・・。
- 近隣に立ち寄り観光スポットはある?
- 隔絶された山の中にある温泉街ですので周囲にはほぼ何もありません。あえて挙げるとしたら、「麻羅観音」という道祖神系の祠が近くにあります。