【下関】下関マニアック日帰り観光
下関で地元の人しか知らない・・・いや、地元の人も知らないマニアックすぎる日帰り観光をしてきました。
▲ 久留米、糸島に続き、今回は下関のマニアック日帰り観光です。
ということで やって来たのは下関駅の西口。
ショッピングモールなどで栄える東口ではないのがなんともマニアック。
▲ 今回下関を案内してもらうのは平松さん(写真左)と村岡さん(写真左から二番目)。
下関出身、下関育ちのお二人は近辺のレトロなスポットや不思議なスポットに行くのが趣味で、町の歴史などにも非常に詳しい方です。
▲ まず最初に連れてきてもらったのがこちらの激シブすぎる食堂「大阪屋」。
下関西口のディープすぎるピンク街(黒服の人がたくさんいて写真撮れなかった・・・)のド真ん中になぜかポツンとあるレトロな食堂です。
▲ この使い古されたジーンズっぽい年季の入った のれん。期待しかないな!
▲ 店内はもう何も言うことがないというぐらいシブくてレトロな内装。
▲ 営業許可済の札も旧漢字が使われている古いもの。
なんと昭和十三年のものがそのまま掲げられていました。
▲ うどん、丼もの、カレーなどいろいろありますが、現在は奥さんが一人で営業している都合でメニューはちゃんぽんのみ。
メニューが一品のみというのはマイナスポイントというよりは、特別感があってむしろ付加価値になってるな〜。
▲ ということでさっそくちゃんぽんを注文。
野菜が山盛り!
▲ ちゃんぽんというと白いスープが定番ですが、大阪屋のスープは透明なあっさり味。
現在お店を切り盛りされている奥さんの義父が元々の店主で、大阪から満州へ渡り、帰国後下関でお店を開いたのだとか。
そのため、関西風のあっさりな味付けになっているのだそうです。
これがめちゃめちゃ美味しいんです!
▲ 松田優作がこの近辺の出身でよく大阪屋に来ていたのだとか。
俳優として人気が出てからも、帰郷した際には必ず立ち寄っていたのだそうです。
店内には松田優作のサインもありました。(写真左)
ちなみに右のサインは香川照之のもの。
ある時ふらっとやって来てちゃんぽんを食べていっただとか。
でも奥さんはいまだに誰なのかよくわかっていないらしい笑
▲ 店内には2枚の日本画が飾られているのですが、これはお店に通っていたお客さんが食事代が払えないからと代わりに自作の画を置いていったものだそうです。
でも、これも詳しいことはよくわからないそう。
▲ とても素人の作品とは思えないのですがいったい誰なんでしょう??
▲ すごい有名な人だったりして。誰かわかる人いませんか??
▲ 奥さんからお店の昔の写真も見せてもらうことができました。
▲ 一度改装しているそうで、こちらが一代前の店舗。
現在大阪屋の周りはピンク街みたいになっていますが、以前はたくさんの人でにぎわう下関でも有数の商店街だったそう。
たくさんの店舗や露天があり、近くの港も活気があったのでたくさんの従業員を雇わないとお店がまわらないほどだったのだとか。
▲ 下関駅は現在は東口が栄えていますが、以前はこの大阪屋がある西口のほうが栄えていたのだそうです。
東口にある大丸も昔は西口にあり、現在はその建物だけが残っています。(写真右の茶色い建物)
「今は無き山陽電気軌道の軌道風景(1959~1963年)」の「下関駅西口」の写真を見てみると当時の様子がわかります。確かにたくさんの人でにぎわっています。
▲ パチンコ屋横にあるこちらの建物も元々百貨店だったのだそうです。
▲ また、西口の駐車場付近には〇〇跡のような石碑がたくさん建てられていて昔の繁栄ぶりが伺えます。
▲ 大阪屋は後を継ぐ人がいないので奥さんの代で終わりになるかもとのことでした。
▲ 次に向かったのは赤間神宮。下関ではメジャーな観光スポットですが、こちらの中にもマニアックなものがけっこうあるんですよ。
▲ まず境内に入ってすぐの場所に柵で封鎖された立入禁止エリアがありますが、これってなぜこうなってるかわかりますか??
▲ この道の先には安徳天皇阿弥陀寺陵があります。
▲ 安徳天皇阿弥陀寺陵は安徳天皇を祀ったもので、普段は非公開になっていますが、皇室の方が参拝する際などに開かれます。
▲ この道は皇室の方が安徳天皇阿弥陀寺陵に参拝する時だけ通ることができる道なので、このように立入禁止エリアになっているのだそうです。
ちなみに佳子さまが初の単独公務をされたのはこの赤間神宮なんですって。
その際にももちろんこの道が使われたそうです。
▲ 赤間神宮では毎年5月に先帝祭というものが行われています。
▲ この祭は壇ノ浦の戦いで亡くなった安徳天皇や平家一門を追悼するものですが、上臈道中(じょうろうどうちゅう)という花魁道中のような儀式が行われます。
壇ノ浦の戦いに関しては話すとものすごく長くなるのでこちらのページなどを参照していただきたいのですが、戦いで敗れた平家の女官たちの多くは生きていくために遊女に身を落としていました。
そのため、今でも遊女の装いでこのような催しが行われているのだそうです。
▲ 赤間神宮はもともと阿弥陀寺というお寺だったのだそうです。
その関係で境内には仏塔があったりします。
▲ そして平家一門の墓も!
▲ その墓に関連したこちらのお堂は有名な怪談の由来になっている場所です。
▲ その怪談とは耳なし芳一。
ここ阿弥陀寺には芳一という盲目の琵琶法師がいて、平家物語の語りを得意としていました。
ある武士から依頼され、貴人たちの前で平家物語を演奏することになりました。
壇ノ浦の戦いの場面になるとその貴人たちは激しく泣きはじめました。
その後、七日間に渡って演奏を行ったのですが、阿弥陀寺の和尚は芳一が毎日出かけていくのを不審に思って後をつけてみました。
すると、芳一は平家一門の墓でひとりで琵琶を演奏していました。
つまり、盲目の芳一は何も知らずに平家の霊の前で演奏をしていたのです。
和尚は慌てて芳一を連れて帰り、事情を説明しました。
このままでは芳一が危ないと感じ、また、芳一がたくさんの霊を連れてくるかもしれないということで、芳一の全身にお経を書き再び平家の霊の元へ向かわせました。
お経が書かれた体は平家の霊には見えませんでしたが、お経を書き忘れた耳だけが見えていました。
そのため、霊は耳だけを引きちぎって消えていったのだそうです。
▲ ・・・という怪談なのですが、それが下関のこの場所だったとは知らなかったな〜。
ちなみに芳一はこの事件があったことで有名になり、琵琶の名士として幸せに暮らしたのだそうです。ハッピーエンドだったのか!
▲ 怪談の次はちょっとほっこりするスポットへ。
唐戸市場前の亀山八幡宮。
▲ 亀山八幡宮の前には立派な鳥居があるのですが、この鳥居の額束に関する面白い逸話を教えてもらいました。
▲ こちらがその額束。
「山」の部分をよく見てみて下さい。
▲ なんとボールが挟まっちゃってるんです。
この近辺にあったガソリンスタンドのスタッフが野球をしていて、打球がすっぽり挟まってしまいました。
それが昭和33年のことで、以来、ず〜っとそのままになっているのだそうです。
でも、いつの日からか野球の必勝祈願として知られるようになり、ここに祈願した下関商業や早鞆高校が試合で好成績を残したりしたのだとか。
今では野球だけでなく、「落ちないボール」ということで受験生にも人気のスポットになっているのだそうです。
▲ 次は唐戸商店街近辺に移動。
▲ ここには一風変わったラーメンを出すお店があります。
「うちでの扉」「一寸法師」「関っ子ラーメン」・・・いろいろ書かれていてどれが屋号かわかりませんが、一寸法師が正解らしい。
お店の外観もなかなか良い感じ!
▲ で、その変わったラーメンとは??
メニューを見てみると、もやしラーメン、野菜五目ラーメンなどがある中に「コーヒーラーメン」というものが!
この日は時間の都合上、行くことができませんでしたが、こちらのページを読んでみると、かなり美味しいらしい!
コーヒー風味のスープにコーヒーが練り込まれた麺、そしてパンも乗っているらしい・・・。
これは次回ぜひ挑戦してみようっと!
▲ 一寸法師の近くにあったオモチャ屋にもちょっと寄り道。
▲ 店内には懐かしいオモチャがズラリ。
▲ 何か貴重なものも残っていそうな雰囲気です。
▲ スカンクパンク。臭いのかな?
▲ この近辺にも数件のオモチャ屋があったそうですが、全部なくなって今ではこのスズヤだけになってしまったそうです。
▲ 小ロットの仕入れが難しくなっているらしく、なかなか厳しいとのことでしたが、やっぱりこういうレトロな雰囲気のオモチャ屋は楽しいですね。
なぜか「なめ猫」のシールなどを購入。
▲ 続いてはこういった観光では個人的に外せないレトロな喫茶店。
連れてきてもらったのは先ほどのスズヤからほど近い「名曲喫茶こいぬ」。
▲ なんて可愛くてレトロな看板なんだ!!
「唐戸ますや前」と書かれていますが、以前はこの近くに唐戸ますやというスーパーがあったらしい。
▲ 店内はこんなクラシックな雰囲気。
▲ 名曲喫茶だけあって巨大なスピーカーがあり、クラシックが流れていました。落ち着く〜。
▲ 昭和26年から営業する老舗で老若男女問わず人気があるとのとこ。
名物はハンバーグ付きのナポリタンだそうです。
下関散策の休憩スポットに最適です。
▲ さて、お次はちょっと珍スポットっぽい場所へ案内してもらいました。
山の中にクジラが?!
近くまで行けるそうなので見に行ってみることに。
▲ ってデカいな!
▲ なんだコレ〜笑
写真ではちょっと伝わりにくいですが、全長25メートルもあり、巨大なものが苦手な人は恐怖を感じるぐらいのデカさです。
「くじら館」という建物で、昭和33(1958)年の建造。何気にけっこう古いです。
▲ 大洋漁業株式会社という現在のマルハニチロの前身となった会社が寄贈したもので、この近くにあった下関水族館の関連施設として標本などの展示が行われていたそうです。
平成12年に下関水族館が移転し、跡地は病院やショッピングモール、マンションになりましたが、この くじら館は公園の敷地内にあったため取り壊されずにそのまま残ったのだそうです。(※中には入れない)
▲ そのくじら館の向かい側にはこんなものが。
「串崎城跡」とあります。
▲ この城は大内氏の重臣であった内藤隆春が築城したもので、長府藩の支藩 長府藩の居城にもなっていたそう。
しかし、一国一城令で廃城になったのだそうです。
ここにある石垣は実は復元されたもので、実際に残っている串崎城の石垣はもう少し北に行った住宅街の中で見れるとのことなので連れて行ってもらいました。
▲ その実際に残っている石垣がこちら。
なんと、今は石垣の上には普通の民家があるのだそうです。
よく一軒家を建てる時に「これで俺も一国一城の主だ!」なんて言ったりしますが、この場合まさに城!
▲ こうやって城の石垣に民家があるというのはなかなか珍しいかもしれませんね。
▲ さて、次はこの旅で個人的に一番楽しみにしていた場所、「火の山展望台」へ!
▲ 火の山展望台には車で行くこともできますが、ロープウェイでも昇ることができます。
▲ ロープウェイなんて乗るのいつぶりだろう?!
THE昭和な観光って感じで良いですね〜〜。
▲ 下から見るとかなり怖そうでしたが、乗ってみると意外とそうでもないかも。
でも途中で車体が40年近く前のものだと知った時にはちょっと怖くなったかな笑
▲ あっという間に山頂に到着。
▲ 山頂のロープウェイの駅は何とも昭和感漂う雰囲気でしたよ。
この山頂付近は明治時代頃から関門海峡を守るための下関要塞が築かれていたそうで、現在でもその要塞の跡が残っているのだとか。
展望台に向かう前にちょっと寄り道をして見に行ってみることにしました。
▲ 少し歩くとこんなものが・・・!
「第三号」と書かれたレンガ積みの部屋。
▲ 中はこうなっていました。
何に使われていたものなんでしょうね??
▲ 近辺にはこういった施設が何箇所もありました。
相当広大な敷地に要塞が築かれていたのでしょうね。
▲ 一部はこうやって休憩スペースのように活用されていました。
▲ そしていよいよ火の山展望台へ!
▲ この不思議な形の建物は建築家の菊竹清訓によるもの。昭和48(1973)年築。
久留米に行ったときも菊竹清訓による久留米市民会館を見ましたが、今回もまた菊竹清訓!
作られてから40年以上経過していて老朽化しているそうで、2017年1月末で建て替えとなるのだそうです。
見に行くなら今のうち!
▲ 展望台には無料で入ることができます。
▲ ここからは関門海峡を一望でき、かなり良い眺めです。
▲ 下関市街、門司、小倉などもよく見えます。
▲ この展望台は建物の四角い部分。
下の丸い部分はなんと回転レストランになってるんです!
しかも現役で営業中!昭和が残ってるな〜。
▲ こんな感じでレール(と言うかコンベア?)みたいになっていて席全体が回転する仕組みです。
▲ 一時間で一回転という非常にゆっくりとしたスピードですが、どの席に座っても全ての景色が楽しめるようになっています。
▲ ちなみに夜になるとこんな感じでなかなか幻想的というか宇宙船っぽいというか、SFチックになります。
▲ 夜景は・・・それはもう感動的なほどキレイです。
▲ 下関に行ったらぜひ訪れたいスポットです。
▲ 最後はメシ!ということでリトル釜山として知られるグリーンモール商店街へ。
▲ この近辺は韓国料理のお店などが軒をつらねるスポット。
▲ キムチのお店やホルモンのお店などがずらりと並び、韓国へ行かずとも博多から一時間ほどでちょっと韓国を体感できるってわけです。
まあ釜山なら博多から一時間で着くけど笑
▲ そんなわけで、焼肉激戦区になっていてたくさんの焼肉店が火花を散らしています。
▲ その数ある焼肉店の中で今回案内してもらったのは、こちらの「ばか盛屋」。
味も美味しく値段も安くイチオシだそうです。
▲ 確かにこれは間違いない感じ!お肉が輝いてる〜!
▲ もうどれもこれも美味しすぎ・・・。
▲ で、これがウマすぎて感動モノの下関名物「とんちゃん鍋」。
鉄板で作るモツ鍋といったところ。
▲ モツ鍋と違ってスープはあまり入っておらず、野菜の水分で煮込んでいく「鍋」と「焼き」の中間みたいな料理です。
甘辛い味付けでお酒にもよく合う!(と思う!お酒飲めないので)
▲ こんな美味しいものが下関にあったとは知らなかったな〜。
▲ という感じで丸一日ガッツリ下関を満喫したわけですが、駅横のシーモールにも面白いトリビアがあるそうです。
▲ 実際に行ってみるとよく分かるのですがシーモールって一階部分が妙に高いんです。
こんなに天井が高くなっているのにはある理由があるのだそうです。
▲ というのも、以前はシーモールの建物を貨物列車が横切っていました。
その貨物列車が通れるようにするために天井を高くしていて、貨物列車がなくなった今でもそのなごりで妙に高い天井になっているのだそうです。
へぇ〜!これはちょっと人に教えたくなるトリビアですね。
▲ 案内してもらった村岡さん、平松さんによると今回巡ったスポットはおすすめスポットの半分ぐらいで、下関にはまだまだたくさん良い場所があるそうです。
これは再訪問の必要があるな〜。
みなさんも下関のマニアックスポット、ぜひ行ってみて下さい!下関良いところ!