福岡市で会える(かもしれない)妖怪
昔から全国の各地にたくさんの妖怪の伝説が伝わっています。
文献を探っていると福岡市内にもいくつかの妖怪の話を見つけることができます。
今回は福岡市で会える(かもしれない)妖怪を紹介してみたいと思います。
百道の河童
▲ 唐人町の当仁小学校横に小さな川が流れています。
▲ その川岸に、このようなカワイイ河童のモニュメントが設置されています。
この石像には「地行河童の松」という話が由来しています。
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昔、嘉兵衛という漁師がいました。
嘉兵衛は大変な酒好きでしたので酒を飲みながら百道の海で漁をしていました。
すると、突然 河童が現れて酒を飲ませてくれと言います。
嘉兵衛はその要求を断りますが、深酒だったのか、そのまま眠ってしまいました。
気がつくと百道松原に流れ着いていました。
しかも、自分が乗っていた船が遥か沖合に流されています。
なんとか船まで泳ぎ着いて舟を確認してみると、先程酒を飲ませてくれと言った河童が酒を飲んで眠っているではありませんか。
嘉兵衛は怒って河童を殴ろうとすると、河童は「もし魚が取れなかったときは自分が魚を持ってくるので許してください」と言います。
嘉兵衛は結局河童を許し、約束通り魚が取れない時にはちゃんと魚を持ってきてくれたのだそうです。
▲ 嘉兵衛が流れ着いた百道松原は古地図で確認すると西新のやや北、今の「よかトピア通り」周辺になります。(※ 地図は「古地図の中の福岡・博多―1800年頃の町並み」【海鳥社 宮崎 克則、福岡アーカイブ研究会 編】より引用)
▲ 今は埋め立てられて海岸線がもう少し北になっていますので、マリゾンあたりに行けば酒好きの河童に会える可能性があります。
大名の河童
▲ 大名の河童は以前にこちらの記事で紹介しました。
大名の某餃子店のトイレには河童がいる可能性があります。
▲ トイレで手を切り落とされてしまった河童が、
▲ 数日後に返して下さいとお願いにきた話が伝わっています。
ちょっと情けなくて愛らしい河童なのでぜひ読んでみて下さい。→大名の某餃子店のトイレに河童がいるかもしれない?!
博多の150メートルの人魚
▲ 福岡市には人魚の話も伝わっています。こちらも以前に紹介しました。(→こちらの記事)
この人魚、一見人間ぐらいの大きさに見えますが、実は150メートルもあります。
▲ 古地図にも「人魚この辺より上がるという」と書かれています。(※古地図は地下鉄呉服町付近の案内看板より引用)
▲ 櫛田神社の西側なのでこの辺りでしょうか。
▲ 今ここに150メートルの人魚がいたら大変なことになりそうですね。
この人魚に関する詳しい内容はこちらの記事をごらん下さい。
大名のキツネ
雁林町、今の地下鉄赤坂駅近くのハローワーク裏あたりにキツネの話が伝わっています。
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鶴原雁林という医者が福岡藩の家老の家に診察に行くと、家老の池の鯉を盗んだキツネが木に縛られていました。
かわいそうに思った雁林はそのキツネを引き取って逃してやりました。
雁林が京都に行ったとき、高熱で倒れてしまいました。
しかし、美しい娘の看護ですっかり良くなってしまいました。
寝床にキツネの毛が落ちていて、雁林はきっと以前に助けたキツネが恩返しをしてくれたのだと思い、福岡の自宅に祠(ほこら)を建ててキツネを奉りました。
その後、1753年に福岡で宝暦の大火が発生します。
福岡城下の広い範囲で火災が発生しましたが、雁林の住む町にはキツネが現れ、しっぽを一振りすると その火はおさまったのだそうです。
▲ 鶴原雁林の家はハローワーク裏の このあたりです。
祠(ほこら)的なものがないかなと探してみたのですが、今は残っていないようです。
この場所で美人な人を見かけたら、もしかしたらその人はキツネかもしれません。
その他にも
その他にもお化けの話などがいくつかありますのでまた別の機会に紹介したいと思います!
【参考文献リスト】
・百道海水浴場跡碑
・福岡市ホームページ 鶴原雁林とキツネの恩返し
・古地図の中の福岡・博多―1800年頃の町並み(海鳥社 宮崎 克則、福岡アーカイブ研究会 編)