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脱サラして小規模な古本屋を開業した男の顛末【その2:開店初日〜開店3日目】

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もくじ

【その1:プロローグ〜開業準備】
【その2:開店初日〜開店3日目】←今このページ
【その3:開店4日目〜開店22日目】
【その4:開店23日目〜月次決算】
【その5:廃業】

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開店初日

そしていよいよ開店の日、とても静かなスタートでした。

開店初日なので当然ですが、1時間、2時間と時間が過ぎてもお客さんは来ません。

あなたは「バットを構えていてもボールが投げられないと打つことすらできないよなぁ」と考えています。

あなたはIT系の会社で営業としてやってきましたので、とにかく売ればいい、売って売って売りまくれば利益は出ると考えていますが、まさか近所の家に飛び込みで「古本を買って下さい」と売って回るわけにもいきません。

「よし、この暇な時間を活用してネットショップに商品を掲載していこう」

店舗への商品搬入など開業の準備にほとんどの時間を取られていましたので、ネットショップの方には全く手が付けられなかったのです。

まずは気軽に出品することができるヤフーオークションへ商品を出品していきます。

写真を撮影して、商品説明を書いて、価格を決めて・・・・
写真を撮影して、商品説明を書いて、価格を決めて・・・・
写真を撮影して、商品説明を書いて、価格を決めて・・・・
写真を撮影して、商品説明を書いて、価格を決めて・・・・

この単純作業をひたすら繰り返します。

写真を撮影して、商品説明を書いて、価格を決めて・・・・

慣れないあなたは、このプロセス1回あたりにおおよそ20分ほど費やしています。

1時間で3商品、2時間で6商品、3時間やっても10商品ほどしか掲載出来ません。

あなたはこの単純作業に早くも嫌気がさしています。

20商品を掲載した時点で営業時間が終了してしまいました。

結局その日は友人が3人来て漫画を数冊買っていっただけで、売上は2500円でした。

「まあ開店初日なのでこんなものさ」と、あなたは自分自身を慰めました。

「売上100万円には程遠いな・・・」

実は、あなたは あまり具体的な収益シュミレーションをしておらず、とりあえず100万円ぐらいの売上があればなんとかなるだろうと安易に考えているのです。

開店2日目

ポスティングの効果があったのか、開店してすぐに数名のお客さんがやってきました。

なぜか2,000円、3,000円の高額商品が連続して売れ、たったの1時間ほどで1万円の売上になりました。

あなたは手応えを感じています。

サラリーマン時代は10万円、20万円の売上でも「会社のお金だから」と思うと、特に嬉しさも感じませんでした。

しかし、自分自身の事業であればたったの1万円の売上でも飛びあがるほど嬉しく感じたのです。

幸先の良いスタートを切れたことで、昨日 既に嫌になりかけていたヤフーオークションへの掲載にも気合が入ります。

コツを掴んだことで、今日1日で50商品を掲載することができました。

その日は開店すぐほどの勢いは無かったものの、ポツポツとお客さんが入ったことで、2万円の売上になりました。

「よしよし、2万円の売上をキープして、ネットショップで1万円の売上をキープすれば月間100万円も見えてくるな!」

勢いに乗ったあなたは残業をして、まだ値付けができていなかった在庫の値付けも終わらせてしまいました。

閉店時間からだいぶ過ぎての長時間労働でしたが、心地良い疲れです。

「明日も頑張ろう!」そう言ってあなたは帰路につきました。

開店3日目

残念なことに今日は雨が振りました。

「今日は雨だからお客さんは少ないだろうな・・・」

そう思いながらパソコンを開いてみると・・・

価格を「即決」設定にしていたヤフーオークションの商品が10冊も売れていました。

どの商品も価格は300円程度ですが、数がさばけたことであなたは自信をつけます。

やっぱりネットにも力を入れなくてはいけないなと改めて実感させられます。

売れた商品をお客さんに発送しなければいけないのですが・・・

「ええっと・・・どうすればいいんだっけ?」

あなたはネットで商品が売れた場合の発送に関して何も考えておらず、梱包資材を準備していなかったのです。

「外出します、すぐ戻ります」と店頭に張り紙をして、雨の中あわてて近所のホームセンターへ走ります。

梱包に使えそうなものをひと通り購入して戻りました。

この外出していた間に、もしかしたらお客さんが来てくれていたかもしれないと思うといたたまれない気持ちになりました。

あなたは売れた商品を梱包していきます。

これまでこういった作業は全くやったことがなかったので、なかなか手間取っています。

一つ梱包するのに15分ぐらいかかってしまってい、10個を梱包するのに3時間も費やしてしまいました。

天候が雨なので、やはりお客さんはほとんどきません。

ぼーっとしていても仕方ないので、あなたはヤフーオークションへの商品掲載を始めました。

商品の梱包でだいぶ精神と体力を消耗しているのでなかなか身が入りません。

写真を撮影して、商品説明を書いて、価格を決めて・・・・
写真を撮影して、商品説明を書いて、価格を決めて・・・・
写真を撮影して、商品説明を書いて、価格を決めて・・・・
写真を撮影して、商品説明を書いて、価格を決めて・・・・

「梱包といい、ネットショップの商品掲載といい、単純作業の繰り返しだな・・・」

あなたは思い描いていた古本屋とのギャップを早くも感じ始めています。

その日はあまり効率が上がらず、30商品の掲載しかできませんでした。

あとは注文のあった商品を発送しなくてはいけません。

「確かコンビニでメール便の発送ができたはずだ。とりあえずはコンビニで発送するとして、そのうち運送業者に集荷も依頼しないといけないな」

そう考えながらコンビニへ向かいました。

「これ、メール便でお願いします」

梱包された10個の包みを、ドサッとレジに置くと、コンビニの店員さんの顔がひきつっているように感じました。

「やっぱり大量の発送はコンビニでは厳しいかな・・・」

そう思いながら処理を待っていると、

「お客様、こちらの3点は厚さ2センチ以上となりますので160円のメール便では発送できません」

と言われてしまいました。

「あっ、そうなんですね」

あなたは160円のメール便が2センチ以上のものは発送できないということを知らなかったのです。

「じゃあこの3つは大丈夫です、他の分だけお願いします」

と言い、160円のメール便で発送可能なものだけを発送しました。

コンビニの店員さんに相談すると、残りの3つは宅配便にするか、定形外郵便で発送してはどうかと教えてもらいました。

宅急便にすると送料分をこちらが負担することになって赤字になりますので定形外郵便で発送することにしました。

商品の重さを測ってみると、どれも90g前後でした。

100g以内は140円で発送できるそうなので切手を140円分貼ってポストに投函して発送しました。

「定形外なら140円で送れてメール便より少し送料が安くなったな。もっと送料の事とか ちゃんと勉強しないと」

あなたはそう反省しながら帰路につきました。

この日の売上はヤフーオークション5,000円+店舗5,000円=合計1万円でした。

脱サラして小規模な古本屋を開業した男の顛末【その3:開店4日目〜開店22日目】につづく

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Y氏こと山田孝之が福岡のちょっと変わった観光スポットや路上ネタを紹介します。著書:福岡路上遺産(海鳥社)
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